軟X線照射によるスプレーギクの花色変異系統の作出法

タイトル 軟X線照射によるスプレーギクの花色変異系統の作出法
担当機関 静岡県農業試験場
研究期間 1995~1996
研究担当者
発行年度 1996
要約 スプレーギクの挿し穂に軟X線を照射し、キメラとなって出現した花色変異部の小花梗を組織培養することにより、花色変異系統を固定化できる。本手法により、`エリアス'、`ドリームナース'、`ハッピーゴールド'から花色変異系統を得ることができた。
背景・ねらい キクの花色変異などの枝変わりは、同一施設・栽培管理のもとで、多種類の花色のキクを生産できるため有効である。そこで、軟X線照射装置を用いたスプレーギクの花色変異系統の作出方法について検討する。
成果の内容・特徴
  1. スプレーギクの花色変異系統の作出手順は、以下の通りである。
    (1)キクの花色変異個体の出現率には品種間差があるため、有望品種の挿し穂に軟X線を強め(100Gy)に照射し、各品種の花色変異個体の出現率を調査し、花色変異個体の出現率の高い品種を選定する(表1)。
    (2)挿し穂に照射する軟X線が多いほど、花色変異総状花数や得られる花色の種類が増加するが(表2)、組織培養中の再分化率の低下(図1)や得られた再分化個体の生育特性が劣化するため(図2)、軟X線照射量は10Gy程度とする。
    (3)総状花全体が花色変異した小花梗を1mg/lのNAAと1mg/lのBAを含むMS培地で培養することにより再分化個体が得られる。
    (4)得られた再分化個体の花色を確認し(表3)、目的の花色変異個体が得られた場合には、キメラを含む可能性があるため、2作以上のさし芽増殖を繰り返し、生育や開花の特性を把握する。
  2. 上記手法により、`エリアス'(桃)の花色変異系統として、`橙16'(橙)及び`赤17'(濃桃)、`ドリームナース'(白)の花色変異系統として`D94-Y-01'(黄)、`ハッピーゴールド'(黄赤覆輪)の花色変異系統として`HG94-Y-01'(黄色単色)を選抜した(表4)。
成果の活用面・留意点
  1. 作出した系統は、その有望性が認められた際には、すぐに活用可能である。
  2. 軟X線は、挿し穂の基部に照射すると挿し芽時の発根率が低下するので留意する。
図表1 215334-1.gif
図表2 215334-2.gif
図表3 215334-3.gif
図表4 215334-4.gif
図表5 215334-5.gif
図表6 215334-6.gif
カテゴリ きく 施設栽培 品種

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