長期氷温貯蔵したオリエンタル系のハイブリッドユリの葉焼症の発生要因解明とその軽減対策

タイトル 長期氷温貯蔵したオリエンタル系のハイブリッドユリの葉焼症の発生要因解明とその軽減対策
担当機関 栃木県農業試験場
研究期間
研究担当者
発行年度 1996
要約 長期氷温貯蔵したオリエンタル系品種'スターゲイザー'の抑制栽培で多発する葉焼症は、氷温貯蔵中に発生した球根の凍害による事が明らかになった。また、本症状は、球根を定植前に緩やかに解凍することで発生が軽減される。
背景・ねらい 球根切花の生産量は年々増加しているが、使用する球根の多くはオランダからの輸入に依存している。輸入球根は、選別・洗浄消毒された後、ピートモスで梱包、氷温貯蔵され、随時輸出される。しかし、品種'スターゲイザー'の抑制栽培で葉焼症が多発し問題となってきた。原因は、栽培環境条件、生育期の水分バランスの異常やカルシウム不足等であると言われてきたが、これらの対策では発生の低減にはつながらなかった。そこで、発生の原因を明らかにするとともに、本症状の発生を抑制する対策を検討し、新たな視点から、球根切花の品質の向上とロス率の低下を図ることを目指す。
成果の内容・特徴 品種スターゲイザーと障害発生の少ない品種カサブランカを対照として、長期氷温貯蔵球について、形態調査と障害発生を軽減する解凍条件を検討し、以下の成果が得られた。
  1. 氷温貯蔵球の解凍直後の未熟な葉に障害が認められ、凍害による症状であることが示された。(図1)
  2. 栽培環境要因に起因する葉焼症以外に、凍害でも同様に本症状が発生することが明らかになった。(表2)
  3. 凍結球は2℃(1週)→5℃(1週)→15℃(3日)で解凍すると、障害の発生は軽減される。(表1,表2)
  4. 球根が、解凍時に、15℃(3日)よりも高温の環境条件におかれると、障害の発生を助長する。この条件では障害の発生しにくい品種である'カサブランカ'においても、僅かではあるが発生する。(表2)
成果の活用面・留意点
  1. 貯蔵中に障害を受けた細胞のダメージを最小限にし、凍害による葉焼症の症状を軽減する技術である。
  2. 出庫予定の氷温貯蔵球に対して解凍処理を行った後搬送することで、障害の発生率を低下させることが可能となる。あるいは、氷温貯蔵球を受け入れる生産グループの所有する低温庫において解凍処理を行えば、ある程度の期間において定植時期の調整が可能となり、輸送費のコスト削減、計画栽培に有効である。
図表1 215338-1.gif
図表2 215338-2.gif
図表3 215338-3.gif
カテゴリ コスト 栽培技術 凍害 発生要因分析 品種 輸出 輸送 ゆり

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