ノビル系デンドロビウムの花熟促進における品種の高温要求性

タイトル ノビル系デンドロビウムの花熟促進における品種の高温要求性
担当機関 愛知県農業総合試験場
研究期間 1996~1996
研究担当者
発行年度 1996
要約 ノビル系デンドロビウムの花熟は高温で促進され、栽培品種は極微、弱、中及び強のいずれかの高温要求性を示す。この高温要求性は開花の早晩性と密接な関係にあり、弱いほど早生性が増す。極微から中までの品種は高い促成栽培適応性を示す。高温要求性に基づく品種の組合わせと的確な温度管理により生産ロス率が低下し、品質も向上する。
背景・ねらい ノビル系デンドロビウムは栽培期間が3年と長く、出荷までに約3割の生産ロスが発生する。このうち、開花当年のロスの多くは着花不良によるもので、経営への影響が大きく、的確な栽培管理による成品化率の向上が課題となっている。しかし、現実は、同一施設で適温や早晩性の異なる複数の品種が栽培されているのが実情である。
そこで、最近の主要32品種を対象に、花熟促進に影響の大きい冬期の好適温度条件、開花の早晩性、促成栽培適応性などを明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 花熟促進における高温要求性は、偽球茎の上位節への着花の多少で判定すると、冬期夜温15℃でも花熟が成立し、高夜温を必要としない「極微」、3月以降高夜温(20℃)を必要とする「弱」、1月以降の「中」及び10月以降の「強」の四段階に分けられる。「極微」のグループのうち極早生品種は15℃より低い温度において花熟に達する。バック咲き品種は、弱い高温要求性を有する。
  2. 開花時の夜温15℃での早晩性は、11月開花の極早生、12月開花の早生、1月開花の中生、2月開花の晩生及び3月開花の極晩生にグルーピングできる。
  3. 促成栽培では、花成誘導処理に伴う開花数の減少がみられない極早生、早生及び中生品種を用いることにより、生産効率を上げることができる。
  4. 無加温から夜温25℃への加温時期を9月下旬から順次遅らし開花への影響をみると、花成誘導に必要な低温の充足は、極早生品種では9月下旬、極晩生品種では11月下旬に完了する。このうち10月中旬までに完了する15品種は、普通栽培で年内出荷が可能である。
成果の活用面・留意点
  1. 促成栽培では、通常の栽培夜温を15℃、花熟促進温度を20℃に設定する。
  2. 早生種の普通栽培は、20℃期間を促成よりやや短くするか、花熟促進温度を18℃とする。
  3. 中生及び晩生種の普通栽培では、促成栽培と同じ温度管理を必要とする。
  4. 今後の品種改良では、早生性の導入が望まれる。
図表1 215348-1.gif
図表2 215348-2.jpg
カテゴリ 温度管理 経営管理 栽培技術 出荷調整 デンドロビウム のびる 品種 品種改良

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