| タイトル |
高冷地移植後潤土(落水)管理による乳苗の活着安定向上 |
| 担当機関 |
長野県農事試験場 |
| 研究期間 |
1996~1997 |
| 研究担当者 |
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| 発行年度 |
1997 |
| 要約 |
水稲の乳苗移植直後から、落水し潤土状態の水管理を行うことで、苗の活着を向上安定させ、安定多収が得られる。
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| 背景・ねらい |
冷温被害の受けやすい高標高地域の水稲栽培は、ポットまたは型枠条播き、あるいはばら播きの3~4齢苗をハウスまたはトンネル保温折衷方式で育苗したものを、5月下旬に普通期植えする方式が中心である。この育苗法は高冷地水稲の安定生育に効果が高いが、育苗労力や育苗費用が大きく、米生産費の低減化を困難にしている。 省力・低コスト栽培法である乳苗移植や直播栽培は、稲作期間全般が冷涼な高冷地ではそのままでは導入が難しいため、活着・初期生育の安定化を中心に栽培法の検討を行った。その結果、乳苗について、移植直後から湛水を行わずに潤土状態の水管理を行うと、苗の活着及び初期生育を向上安定させ、安定多収につながることを明らかにした。
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| 成果の内容・特徴 |
- 移植直後~20日後まで潤土(落水)状態においた区は、通常の湛水区に比べ活着率が高く、初期生育を安定させ、高い収量が得られた(表1,図1・図2)。乳苗活着率の向上は、冠水(水没)機会の多い湛水区に対し、土中酸素供給が多いためと推定される。
- 乳苗移植後の潤土処理の効果は品種によってやや異なるが、慣行中苗並みの多収が得られ、倒伏なく、外観品質・食味も中苗あるいはポット育苗並みの水準が得られる。このため慣行苗代に比べ、大幅な労力、費用の削減になる(表1)。
- 乳苗の普及地域(県基準)は現在標高700m以下の地域であるが、低温下における乳苗初期の生育安定が図られることにより、移植期を前進させ、乳苗移植栽培の上限適用地域の拡大可能性が高い(表1,図3)。
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| 成果の活用面・留意点 |
- 高冷地での乳苗移植栽培法の検討(品種選定及び乳苗育苗法や施肥法を含めた栽培適応性検討)は、別途行う必要がある。
- 移植直後から水田を湛水しない状態に置くので、雑草が発生しやすい。播種後落水して出芽させる方式の直播に用いられるような効果的除草法が必要である。
- 本試験では被害がなかったが、鳥害を受ける危険が考えられるので、対策を行うなど留意する。
- 潤土(落水)処理中に降霜の予想がなされた場合は、事前に湛水して凍霜害の回避に努める。
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| 図表1 |
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| 図表2 |
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| 図表3 |
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| カテゴリ |
病害虫
育苗
雑草
直播栽培
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