高泌乳牛におけるアルファルファ乾草の効果的給与法

タイトル 高泌乳牛におけるアルファルファ乾草の効果的給与法
担当機関 群馬県畜産試験場
研究期間 1995~1996
研究担当者
発行年度 1997
要約 高泌乳牛に給与する粗飼料としてチモシー乾草に対して、アルファルファ乾草及び両方を混合して給与した時の産乳成績を比較した。この結果、両乾草の混合給与は乾物摂取量がチモシー単独給与に比べて有意に多く、乳量や分娩後の泌乳持続性が最も高く効果的な給与法であることが判った。
背景・ねらい アルファルファは高泌乳期用の粗飼料として広く利用されているが、その給与法については十分検討されていない。平成5年度に実施した試験では、アルファルファ給与によって咀嚼時間が短縮し乳脂率の低下傾向が認められたが、その原因として、イネ科牧草に比べて繊維含量が低いことに原因があると推察された。そこで今回、飼料中の粗飼料繊維含量を揃えた条件下で試験を行いアルファルファ乾草の給与法を検討した。
成果の内容・特徴 飼料乾物中の粗蛋白質(CP)、中性デタージェント繊維(NDF)及び粗飼料繊維FNDF)水準を18、35、16%とし、粗飼料として原物中に細切したチモシー乾草を22%含むTI区、アルファルファ乾草を34%含むAL区及びチモシー乾草を11%とアルファルファ乾草17%を混合給与するMX区の3区を設定した(表1)。乳牛67頭に対して混合した試験飼料を自由採食させ、分娩後15週間の飼養試験を実施した。
  1. 15週間の平均値は、乾物摂取量がTI区において他の2区に比べて有意に(P&st;0.01)
    低く、アルファルファ乾草給与により増加した。しかし可消化養分総量(TDN)摂取量ではMX区がTI区、AL区に比べて少し高かった(表2、図1)。
  2. 乳量はMX区が高い傾向にあり、泌乳持続性が優れていた(表2、図2)。
  3. 乳脂率、乳蛋白質率およびSNF率に差は認められなかった。
  4. 血液性状はグルコース、肝機能、脂質関連項目は、ほぼ正常値にあったが血漿中の尿
    素窒素(BUN)はAL区が他の2区に比べて有意に(P&st;0.01)高く、この傾向は第一胃内容液中のアンモニア態窒素濃度の傾向と一致していた。以上の結果から、アルファルファ乾草給与で乾物摂取量の増加が認められたが、単用ではルーメン発酵によるアンモニア生成の増加と、これによる血漿中の尿素態窒素の上昇がみられた。このことから、チモシー乾草と混合して給与する方が泌乳持続性が高く安全と考えられた
成果の活用面・留意点
  1. アルファルファ乾草は単一よりイネ科乾草と混合して利用するのが効果的である。
  2. 乾草は養分変動が大きいので粗飼料分析センターを活用し成分分析を行う。
図表1 215417-1.gif
図表2 215417-2.gif
図表3 215417-3.gif
図表4 215417-4.gif
カテゴリ アルファルファ 乳牛

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