タイトル |
強害雑草の混入がトウモロコシサイレージの発酵品質と嗜好性に与える影響 |
担当機関 |
群馬県畜産試験場 |
研究期間 |
1996~1997 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1997 |
要約 |
イチビ、ショクヨウガヤツリ(キハマスゲ)、マルバルコウなどの強害雑草が混入したトウモロコシサイレージでは、発酵品質の低下は認められないが、乳牛の嗜好性が混入率が高まるとともに大きく低下した。嗜好性の低下はイチビの混入サイレージで顕著だった。
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背景・ねらい |
最近、トウモロコシ畑への強害外来雑草の侵入が増加し、収穫物に多量の雑草が混入する事例が報告されている。サイレージにこれらの雑草が混入すると、発酵品質や嗜好性の低下などが考えられる。また、雑草の中には異臭や毒性を持つものがあり、家畜給与上大きな問題になっている。そこで、雑草混入がサイレージの発酵品質と嗜好性に及ぼす影響を明らかにし、対策技術マニュアルの資料とする。
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成果の内容・特徴 |
- イチビ、ショクヨウガヤツリ(キハマスゲ)、マルバルコウが混入したトウモロコシサイレージを混入率 0~20%まで4~5水準調製し、発酵品質、家畜嗜好性を検討した。
- 雑草混入サイレージのpHは、全て3.6~3.7まで低下しており、雑草が15~20%混入しても水分は無混入に比べ3%増加した程度だった(表1)。
- VBN/TNは3~4%に抑制されており、酪酸生成も全く認められない。V-SCORE での評価は全てのサイレージで98点以上になり、発酵品質は良好だった(表1)。
- しかし、官能検査ではイチビ混入率10%以上のサイレージで、独特の不快な異臭が感じられた(表2)。
- 乳牛に対する嗜好性をカフェテリア法で検討した結果、嗜好性は全ての雑草種で混入率が高くなるにしたがって低下した(図1)。嗜好性の低下は混入率5%を越えると大きくなり、この傾向はイチビで最も顕著だった。
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成果の活用面・留意点 |
- 強害雑草の混入率と発酵品質、嗜好性の関係が明らかとなったので、対策指針に活用できる。
- 雑草の混入によってサイレージの嗜好性は低下するので、トウモロコシ生育初期の雑草防除が重要である。
- イチビ混入サイレージの給与が、牛乳風味に与える影響が未解明であり、調査が必要である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
病害虫
雑草
とうもろこし
トウモロコシサイレージ
乳牛
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