タイトル |
日本なし「豊水」の花数制限による管理作業の軽減 |
担当機関 |
千葉県農業試験場 |
研究期間 |
1996~1997 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1997 |
要約 |
日本なし「豊水」では、花芽整理、摘蕾、摘花で花数を減らすことにより、受粉、摘果作業の省力化及び花粉使用量の削減と大玉の生産が可能である。
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背景・ねらい |
日本なしでは受粉、摘果、収穫調整等の作業に多大の労力を要する。規模拡大や収益性を高めるには、これらの作業の省力化や労働ピークを崩す必要がある。そこで、受粉、摘果時の省力化を図るため、花数と受粉や摘果時の労働時間等との関連性について検討した。
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成果の内容・特徴 |
「豊水」の花芽数及び花数の調節は、花芽整理、摘蕾、摘花によった。1995年の1m2当たり花芽数(以下花芽数という)は16.5~34.5個、1m2当たり花数(以下花数という)は33~334花、1996年の花数は61~169花であった。なお、受粉は1花そう当たり2花に行った。
- 花芽数が16.5個でも目標着果量(11果/m2)の約1.4倍の着果果そう数が確保できた。
- 着果果そう数の確保には、1花そう当たりの花数が2花でも着果果そう率が90%と高く十分であった。1花そう内の花数が多いほど果そう当たりの着果数は多くなった。また、子花を除去しないと子花に着果した果そうが多くなった(表1)。
- 花数の多少と受粉の作業時間、予備摘果の作業時間との間には0.1%水準で正の有意な相関が認められた。また、花芽数の多少と受粉の作業時間との間でも5%水準で正の有意な相関が認められた(表2、図1)。
- 花数の多少と花粉使用量との間には0.1%水準で正の有意な相関が認められたが、花芽数との間では有意な相関が認められなかった(表2、図1)。
- 花数の多少と平均果重との間には1%水準で有意な負の相関が認められたが、秀品率とは有意な相関が認められなかった(表3)。
- 以上のことから、「豊水」は花芽数を目標収穫果数の2倍程度に整理する。次に、主枝、亜主枝先の摘蕾及び側枝先2芽の摘蕾により花芽数を1.5倍程度にする。さらに子花除去と摘花により花そう当たりの花数を削減する。このことにより、受粉や予備摘果の労働時間が減少し花粉使用量を少なくし、大玉生産が可能となる。
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成果の活用面・留意点 |
- 着果量を確保するとともに変形果を少なくするため人工受粉を確実に行う。
- 花芽整理、摘蕾、摘花、子花摘みを併用した花数の制限は、花芽が多く無着葉花そうの少ない品種に適用する。
- 花芽が少なく無着葉花そうの多い「幸水」では、摘蕾、摘花、子花摘みで花数を制限する。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
規模拡大
受粉
省力化
日本なし
品種
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