極早生の日本なし新品種「あけみず」

タイトル 極早生の日本なし新品種「あけみず」
担当機関 神奈川県農業総合研究所
研究期間 1997~1997
研究担当者
発行年度 1997
要約 「新水」×「42-6」の交雑により、日本なし新品種「あけみず」を育成した。「新水」より7~10日早く成熟する極早生の赤なし品種で、果実重は320g程度、糖度は13%前後で品質が優れている。
背景・ねらい 神奈川県の日本なし栽培面積は313haあり、そのほとんどが直売で地域住民との交流の中で成り立っている。「幸水」、「豊水」が主力品種で生産量の65%を占め、販売時期が集中している。より一層の経営安定と、8月上旬お盆前の消費者ニーズに応えるため、「幸水」より前に収穫できる品質優秀な多収性品種の育成が望まれていた。
成果の内容・特徴
  1. 昭和45年に神奈川県園芸試験場において、「新水」に農林水産省果樹試験場育成系統の「42-6」(「雲井」×「幸水」)を交雑して得られた実生から選抜、育成した。平成6年8月に品種登録を申請、平成9年3月に登録番号第5554号として品種登録された。(写真1)
  2. 樹勢は強く、新梢は太く茶褐色。腋花芽の着生はやや少なく(表1)、短果枝の着生は中。開花期は早く「新高」とほぼ同時期(表2)。開やく前のやくの色が淡い紅色で「新水」とは区別できる。「幸水」、「新水」、「筑水」と交雑和合性であるが「豊水」とは不和合性である。自家結実性は認められない。収穫期は早く、育成地の神奈川県二宮町において7月下旬から8月上旬に収穫される(表2)。
  3. 果実は円形で黄赤褐色、1果重の平均は320g程度になる。有てい果の混在はわずかで果心は小さく、裂果の発生は見られない。糖度は13%前後(表3)、わずかに酸味があり、みずみずしく食味は良好である。心腐れ、みつ症の発生は見られず、日持ち性は25℃、湿度90%で5日程度と短い。
  4. 黒斑病の発生は認められず、えそ斑点病は病徴非発現性である。黒星病やその他の病害に対しては赤なしの慣行防除で対応可能である。
成果の活用面・留意点
  1. 開花期が早いので、人工受粉用の花粉確保には留意し、この場合「豊水」とは相互に交雑和合性がないので注意する。
  2. 320g程度の果実生産には摘蕾、摘果が遅れないことが重要である。
  3. 果実の日持ち性は短く、5日程度であり流通、販売には注意が必要である。
図表1 215434-1.jpg
図表2 215434-2.gif
図表3 215434-3.gif
図表4 215434-4.gif
カテゴリ 病害虫 黒星病 経営管理 受粉 新品種 多収性 日本なし 品種 防除 良食味

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