タイトル |
ナスの促成栽培におけるセル成型苗直接定植のための接ぎ木法 |
担当機関 |
愛知県農業総合試験場 |
研究期間 |
1997~1998 |
研究担当者 |
|
発行年度 |
1997 |
要約 |
ナスの促成栽培においてセル成型接ぎ木苗の直接定植を行う場合、穂木のは種期を早め、接ぎ木時における穂木の採穂節位を上げ、本ぽでの第1果の着果位置を下げることで、初期生育の制御が可能である。第1果の着果位置を低下させることにより着果部位が増え、セル成型苗を直接定植しても収量が高まる。
|
背景・ねらい |
ナスの促成栽培においてセル成型苗を直接本ぽに定植すると、初期生育が旺盛になりやすいことから二次育苗後に定植を行っており、省力効果が得られていない。そこで、初期生育調節技術として、第1果の着果位置が初期生育に及ぼす影響を明らかにし、セル成型接ぎ木苗を直接定植するための技術を開発しようとした。
|
成果の内容・特徴 |
- 第1果の着果位置を低下させるための接ぎ木方法は、図1の通りである。台木に対する穂木のは種時期を早め、慣行より上位節から採穂し接ぎ木すると、本ぽでの第1果の着果位置が低下する(図1,表1)。
- 第1果の着果位置が低いほど分枝下茎径の肥大が遅く、着果位置を変えることは初期生育の調節に有効である(図2)。
- 第1果の着果位置を下げることにより、収穫開始日が早まる。また、第1果の着果位置が低いほど節間長は短く、葉数が多くなる。すなわち節数が増加して着果部位が多く確保できる(表2)。
- 第1果の着果位置の低下は、上中物果数、果重及び総収量が多くなる(表3)。
|
成果の活用面・留意点 |
- 8月中旬定植の場合、穂木のは種時期は、台木より10~15日早くする。作期により育苗期間の気温及び日照条件が異なるため、台木と穂木のは種間隔は、接ぎ木時に穂木の葉齢が5枚となるように変える必要がある。
- 穂木の採穂時期の葉齢が進みすぎると第1花の退化が認められるため、採穂葉齢は5枚以下とする。
|
図表1 |
 |
図表2 |
 |
図表3 |
 |
図表4 |
 |
図表5 |
 |
カテゴリ |
育苗
栽培技術
台木
接ぎ木
なす
|