タイトル |
対抗植物によるサツマイモに対する線虫害抑制効果の持続性 |
担当機関 |
埼玉県園芸試験場 |
研究期間 |
1996~1996 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1997 |
要約 |
ネコブセンチュウに対する対抗植物(ギニアグラス「ナツカゼ」、クロタラリアユンセア)を作付した場合、後作のサツマイモに対する実用的な被害抑制効果は、サツマイモネコブセンチュウ多発条件下では1作程度である。
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背景・ねらい |
環境保全、地力維持の面から、対抗植物は注目、利用されている。そこで、対抗植物のネコブセンチュウに対する防除効果について、対抗植物栽培後サツマイモを2年連作してその防除効果について検討し、ほ場での持続期間を明らかにする。
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成果の内容・特徴 |
- 対抗植物(ギニアグラス「ナツカゼ」、クロタラリアユンセア)の導入の有無とその栽培前後の線虫数
ネコブセンチュウ分離数は、サツマイモの連作により、著しく増加するのに対し、両対抗植物の栽培及び休閑によりいずれも減少する(表1,表2)。
- 後作1年目における線虫害抑制効果
対抗植物栽培後1年目のサツマイモの収量は、休閑した場合と同等でサツマイモ連作の場合より明らかに優る。また、塊根への被害(裂開の発生率)はサツマイモ連作より軽く、休閑した場合に比べても軽度となる(表3)。しかし、ネコブセンチュウのほ場密度は、休閑した場合と同様に収穫時には高まる(表4)。
- 後作2年目における線虫害抑制効果
対抗植物栽培後2年目のサツマイモの収量および被害に対する対抗植物の栽培効果は認められるものの、休閑も含め前年より著しく低下し、裂開症状も多発する(表3)。
- 以上の結果から、供試した対抗植物を作付することによるサツマイモ栽培に対するネコブセンチュウ被害抑制効果は、被害多発条件下では実用的に1作程度であると判断される。
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成果の活用面・留意点 |
- 栽培した対抗植物をすき込むことにより、圃場へ有機物を導入できる。
- 栽培した対抗植物は、出穂、出蕾以後ではすき込みが困難となるので、それ以前にすき込みを行う。
- 供試したクロタラリアは、商品名コブトリソウである。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
病害虫
防除
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