タイトル |
底面給水栽培における鉢花用トルコギキョウの品種選定と高品質生産 |
担当機関 |
三重県農業技術センター |
研究期間 |
1997~1997 |
研究担当者 |
|
発行年度 |
1997 |
要約 |
鉢花用トルコギキョウは、コロネット系、トムサム系が有望系統である。栽培方法は、無摘心による底面ひも給水で、調整ピートを使った1株/鉢植え、養液管理は、窒素40~50ppm常時給水が高品質生産のために有効である。
|
背景・ねらい |
シクラメン価格の低迷に加え、サイネリア、プリムラ、ハイドランジア等の輪作作目に対する消費者ニーズの変化によって、購買力が低下し、鉢花生産農家の収益性が悪化している。その中で、生産現場から高収益の得られる新しい有望鉢花の導入が強く要望されている。 そこで、近年、種苗会社から多数発表された新規性のある鉢花用トルコギキョウについて、底面給水栽培における有望品種の選定と高品質生産技術の開発を行う。
|
成果の内容・特徴 |
- シクラメンとの輪作作型として、鉢花用トルコギキョウ品種4系統は、各系統の品種間に品質差が少ないが、コロネット系、トムサム系が鉢花として適正な草丈、ボリューム、有効着蕾数が確保され、高品質生産が可能な系統品種として有望である(表1)。リサ系は早生系統のため、ボリュームが確保しにくい。ハートフル系は、草丈が高くなり、支柱をする必要があるため、鉢花として省力管理が難しい(表1)。
- 仕立て法は、十分な分枝・株張りが確保できる無摘心法が良い(表1)。
- 定植に用いる用土は、入手・利用しやすい調整ピートが適する(図1)。
- 5号鉢の植付け株数は、2株植え以上にすると草丈・株張りのバランスがとりにくくなるとともに、灰色カビ病等の病害発生を助長するので、十分な株張りが確保できる1株植えが適する(表2)。
- 底面ひも給水による養液管理は、窒素30ppm常時給水では栽培後期に葉がやや黄化し、蕾数が減少するので、40~50ppm常時給水が適切である(表3)。
|
成果の活用面・留意点 |
- シクラメン底面給水施設をそのまま使用する輪作が可能である。また、新規鉢花として新しい消費者ニーズに対応できる。
- わい化剤を利用した切り花用品種の鉢花に比べ、省力的で、成品率が向上する。
- ピシウム菌、フザリウム菌の発生予防のため底面給水施設の消毒を徹底する。
|
図表1 |
|
図表2 |
|
図表3 |
|
図表4 |
|
カテゴリ |
高品質生産技術
栽培技術
シクラメン
トルコギキョウ
ハイドランジア
品種
プリムラ
輪作
わい化
|