中型トラクターを活用した大区画密植桑園の圃場管理

タイトル 中型トラクターを活用した大区画密植桑園の圃場管理
担当機関 千葉県農業試験場
研究期間 1995~1996
研究担当者
発行年度 1997
要約 大区画密植桑園の圃場管理は、20ps級のトラクターと付属の管理機を使い、跨畦走行によって堆肥、肥料、除草剤散布を効率的に実施できる。トラクターの跨畦走行による桑樹の損傷は、夏切桑園の春先における堆肥散布でも2.5%の株に枝条折損が見られる程度である。
背景・ねらい 養蚕経営の飛躍的な規模拡大により農家所得の向上を図るため、基幹労働力として夫婦2人を想定し、年間10tの繭生産に対応した8haの大区画密植桑園における圃場管理技術の組立が求められている。このため、20ps級トラクターの搭載型または牽引型管理機を活用した、高能率な圃場管理方法や作業時間について明らかにする。
成果の内容・特徴 1植栽距離1.0×0.4mの密植桑園における堆肥散布は、全桑園を一括して春肥時に行う。圃場に集積した堆肥は、苦土石灰と混和してからフロントローダーで1t積マニュアスプレッダーに積込み、トラクターで散布する。散布作業時間は、作業幅を2mとし1ha当たり20tの豚糞堆肥を施用すると7.5時間である(表1)。
2尿素肥料の散布は、春肥時及び1回目収穫後に行う。 尿素はトラックで圃場に輸送し、人力で搭載型ブロードキャスター(容量0.3立方メートル、揺動式)へ投入して散布する。散布作業時間は、作業幅を6mとし1ha当たり1回に220~370kgを使用すると、48~61分である(表2)。
3除草剤(液剤)散布は、春先および1回目収穫後に行う。水はトラックで圃場に輸送し、搭載型ブームスプレーヤ(タンク容量500l)により散布する。散布作業時間は、作業幅を8mとし1ha当たり1,700lを散布すると、2.4時間である(表3)。
4 春先の夏切密植桑園においては、跨畦走行によってトラクター下部が越冬枝条を押し倒して進むため、皮目剥離などの損傷がある。しかし、枝条折損など重大な損傷は、マニュアスプレッダーによる堆肥散布作業では2.5%(表4)、ブームスプレーヤによる除草剤散布では0.4%にすぎず、管理機の走行にも支障はない。
成果の活用面・留意点 1堆肥散布には、積込用と牽引用のトラクタ-2台が必要である。その場合、1台は自己所有、1台はレンタルとする。
2経営規模が概ね6ha以上では各管理機を自己装備としたほうが作業コストが削減できる。その場合、作業効率の面から1区画が1ha以上の桑園で使用することが望ましい。
カテゴリ 肥料 病害虫 カイコ 規模拡大 経営管理 コスト 除草剤 圃場管理 輸送

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