タイトル |
オオマルハナバチ女王蜂の低温処理による室内継代飼育 |
担当機関 |
神奈川県農業総合研究所 |
研究期間 |
1997~1999 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1997 |
要約 |
野外より採集したオオマルハナバチの女王蜂を室内で営巣させ、そのコロニーから得た新女王蜂は、5℃の低温処理により、4ヶ月間の人工越冬が可能である。低温処理後の女王蜂を覚醒・営巣させることにより、室内継代飼育が可能である。
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背景・ねらい |
日本産のマルハナバチを花粉媒介昆虫として農業に利用する可能性について検討し、これまでに4種の日本産マルハナバチがトマトの着果能力を有することを確認した。そこで、実用化を目的としたマルハナバチを周年供給に向けて、日本産オオマルハナバチの大量増殖技術を確立するため、室内での継代飼育技術を開発する。
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成果の内容・特徴 |
- 越冬後の単独期のオオマルハナバチ女王蜂を野外で採集し、26℃、60~70%RH、全暗(飼育管理時のみ赤色蛍光灯を使用)条件下で室内飼育することにより、働き蜂数40頭以上のコロニーを40~50%の率で営巣させることができる(表1)。
- 野外のマルハナバチは、交尾後、土中等で越冬するため、5℃の低温処理による人工的な越冬を試みた。半分ほどバーミキュライトを入れた内径3cm高さ4cmのプラスチック瓶に交尾後の新女王蜂を1頭ずつ入れ、その瓶を2リットルのバーミキュライトを入れた24cm×33cm×9cmの容器内に埋め込み、4ヶ月間の5℃低温処理を行うことにより、76%の生存率で、オオマルハナバチを人工的に越冬させることが可能である(表2)。
- 低温処理後、順化方法として10℃12時間、15℃12時間(全暗)を経過させてから50cm角のケージに女王蜂を移し、昼温20℃(12時間・明)、夜温15℃(12時間・暗)条件下に、10日間置いた後、26℃、60~70%RH、全暗条件下で飼育することにより、これらの女王蜂に営巣させることに成功した(表3)。
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成果の活用面・留意点 |
各処理の簡素化を図り、実用可能な大量増殖技術の確立に資する。
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カテゴリ |
飼育技術
トマト
マルハナバチ
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