タイトル |
環境保全型農業展開における農業生産上の課題と対応方向 |
担当機関 |
三重県農業技術センター |
研究期間 |
1997~1998 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1997 |
要約 |
三重県内の農家における減化学肥料及び減農薬等の環境保全型農業推進上の課題について数量化3類により解析し、収量確保、新規開発、機械化の3軸を基にしたクラスター分析により農家の類型化を行ったが、省肥料期待志向の類型が最も多い。
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背景・ねらい |
環境保全型農業推進上の課題は多く、多方面からの研究が行われているが、減化学肥料と減農薬の解決すべき課題の関連を三重県内の農家における意識調査から探り、総合的な対応方向を明らかにする。
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成果の内容・特徴 |
- 数量化3類によるカテゴリースコアから、減化学肥料・減農薬栽培を行っても収量品質が低下しない技術を求める第1軸を「現状収量維持軸」、生物防除等の開発を求める第2軸を「新規開発期待軸」、減農薬栽培導入に伴う労働の機械化、有機肥料施用の機械化を求める第3軸を「機械化期待軸」と名付ける(表2,表3、図1)。
- この数量化3類による軸のサンプルスコアを基にクラスター分析を適用し、環境保全型農業推進上の課題に関する農家意識を次のような4つに類型化することができる。
第1類型:全体の46%を占め比較的効果的省肥料開発・システム開発を求める「省肥料期待志向」である。 第2類型:全体の21%を占め生物防除の開発をかなり強く求める「生物防除期待志向」である。 第3類型:全体の17%を占め減化学肥料・減農薬栽培を行っても収量・品質が低下しない技術をかなり求める「収量・品質期待志向」である。 第4類型:全体の16%を占め減農薬栽培導入に伴う労働の機械化、有機肥料施用の機械化をかなり強く求める「機械化期待志向」である。
- 農業収入、性別、水稲の栽培面積、野菜の栽培面積等による各類型への分布差異は認められない。
- 県全体への対応としては、農家の意識が強い類型の課題を解決することが効果的であり、この点において省肥料・減化学肥料への期待が高いことが明らかとなった。
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成果の活用面・留意点 |
今後は、経営規模の大きな認定農業者や肥料農薬の使用量の多い施設型栽培を行っている農家等についての環境保全意識の解析と類型化が必要である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
土づくり
肥料
病害虫
機械化
経営管理
農薬
防除
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