タイトル |
キマダラヒロヨコバイ媒介性のファイトプラズマ病の病原は同一である |
担当機関 |
農業研究センター |
研究期間 |
1990~1997 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1997 |
要約 |
リンドウ、ウド等に病害を起こす、日本各地のキマダラヒロヨコバイ媒介性ファイトプラズマ(12分離株)は宿主範囲と病徴発現及び16SリボゾームRNA遺伝子の塩基配列に全く差異がなく、同一か非常に近縁な病原体である。
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背景・ねらい |
キマダラヒロヨコバイに媒介されるファイトプラズマ(旧称:マイコプラズマ様微生物(MLO))による作物病害は中山間地等への野菜・花き類の導入に伴い、その発生が増加している。本病の病原ファイトプラズマの分類学的な位置づけや、各地で発生している分離株間の相互関係の解明のために、宿主範囲等の生物学的特性及び16SリボソームRNA遺伝子の塩基配列について解析を行った。
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成果の内容・特徴 |
- 新たに発見されたアズキ萎黄病、チャービル萎黄病、シラネアオイてんぐ巣病はキマダラヒロヨコバイによって媒介性されるファイトプラズマ病である。
- 日本各地から分離されたファイトプラズマ12分離株(表1)は、同一の宿主範囲を示し(表2)、発生地域等による生物学的特性に差異がない。
- 12分離株のキマダラヒロヨコバイ媒介性ファイトプラズマは16SリボソームRNA遺伝子の塩基配列が全く同一であり、系統学的にはPhytoplasma pruniに属することが明らかとなった。しかし、塩基配列の微細な差異及び、媒介虫や宿主範囲などの生物学的特性の違いから、日本以外のPhytoplasma pruniに属するファイトプラズマとは明らかに区別することができる(図1)。
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成果の活用面・留意点 |
- 中山間地等に新たに作物を導入する際に、ファイトプラズマ病の発生の早期発見、予知が可能性である。
- 得られた塩基配列情報は、多犯性のキマダラヒロヨコバイ媒介性ファイトプラズマ特異的診断法の開発に利用できる。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
病害虫
あずき
萎黄病
うど
チャービル
中山間地域
りんどう
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