シグモイドタイプ被覆尿素を用いた全量基肥による不耕起乾田直播の低投入型栽培法

タイトル シグモイドタイプ被覆尿素を用いた全量基肥による不耕起乾田直播の低投入型栽培法
担当機関 岐阜県農業総合研究センター
研究期間 1997~1997
研究担当者
発行年度 1997
要約 不耕起乾田直播において、シグモイドタイプ被覆尿素を全量基肥施肥することで、入水期までの溶脱による環境負荷が軽減でき、追肥の省力化が図れるうえ、「岐108号」では増肥をしなくても耕起・移植栽培と同等程度の収量が確保できる。
背景・ねらい 大規模農家育成のための一つの手段として期待されている不耕起乾田直播では、施肥してから入水期までが乾田状態であるため、施肥窒素の硝化・溶脱による肥料の消失や施肥効率の低下により、環境への影響が懸念される。また、土壌からの窒素供給量が代かき田に比べて少ないため、耕起・移植栽培と同等程度の収量を確保するには慣行の施肥体系では増肥が必要であるうえ、追肥が省力の妨げとなる。このため、本県晩生の新品種「岐108号」を対象にしてこれらの諸問題を改善する不耕起乾田直播の全量基肥施肥法について検討した。
成果の内容・特徴
  1. 被覆尿素70日タイプは施肥から入水期までに窒素の約24%が溶出したが、シグモイドタイプではこの期間の溶出が抑制された。このため、シグモイドタイプの被覆尿素を用いれば増肥の必要はなく、施肥窒素の硝化・溶脱による環境負荷が軽減される(図1)。
  2. 耕起・移植栽培と不耕起栽培の無窒素栽培による水稲の窒素吸収量の推移を比較すると、不耕起栽培の方が最高分げつ期頃までに吸収量は10a当たり2kg程度少ない(図2)。
  3. 本施肥法は播種溝に施肥する接触施肥のため、施肥窒素利用率は耕起慣行栽培より高くなる。特に、シグモイド60日タイプとSシグモイド100日タイプの組み合わせでは81.2%と極めて高くなるため、地力窒素発現量の不足分が補える(表1)。
  4. 「岐108号」では、シグモイドタイプの被覆尿素を組み合わせることで耕起慣行栽培と同じ施肥窒素量でも穂数及びm2籾数が確保されるため、耕起慣行栽培と同等程度の収量が得られる(表2)。
成果の活用面・留意点
  1. 平坦地の灰色低地土に適用される。
  2. 穂数確保が必要な場合には基肥窒素相当分の増肥の検討が必要である。
図表1 215557-1.gif
図表2 215557-2.gif
図表3 215557-3.gif
図表4 215557-4.gif
カテゴリ 肥料 乾田直播 省力化 新品種 施肥 播種 不耕起栽培

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