タイトル |
泥炭培地(ニータン)を用いたバラ養液栽培における微量要素管理 |
担当機関 |
愛知県農業総合試験場 |
研究期間 |
1997~1997 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1997 |
要約 |
中国産泥炭培地(ニータン)を用いたバラ養液栽培で発生した生育障害は、泥炭培地がを吸着し、養液中の銅濃度が不足して起きた銅欠乏症と考えられる。その対策として、銅濃度を高めた泥炭培地用の改良微量要素処方を用いる。
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背景・ねらい |
バラのロックウール栽培において、使用後のロックウール(スラブ)の廃棄処理が問題となっていることから、再利用が可能で使用後耕地に還元しやすい、環境にやさしい新培地が求められている。一部のバラ農家はロックウールにかえて中国産泥炭培地(ニータン)を導入している。しかし、ニータンでは根張りはよいものの、品種によっては生育障害がみられることから現地調査を行い、その原因を明らかにするとともに、対策試験を実施し、この培地に合った養液管理技術を明らかにする。
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成果の内容・特徴 |
- バラのニータン栽培において、茎葉が軟弱になり、茎が曲がる銅欠乏による生育障害(写真)が発生する。茎葉の銅含有率が著しく低い(2mg/Kg乾物以下) ことから銅欠乏と考えられる。
- ニータンで栽培した場合、品種間で生育差が顕著で`ローテローゼ'ではロックウール栽培に劣らぬ採花本数が得られるものの、`ノブレス'では銅欠乏により商品価値のある切り花は得られない(表1)。`ノブレス'等銅欠乏の発生しやすい品種はニータンでの栽培は避ける。
- ニータンは銅を強く吸着し、銅欠乏を発生しやすいため(表2)、泥炭培地用の改良した微量要素処方を用いる(表3)。
- 以上、バラの養液栽培において、ロックウールに代わりニータンを用いる場合、銅を強化した微量要素管理が必要である。
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成果の活用面・留意点 |
- `ノブレス'等銅欠乏の発生しやすい品種はニータンよりもミックスピート (ピートモスにパーライトを30~50% 混合) を培地として利用する。
- ニータン培地は、養分の吸着・集積が起こるため、連用する場合、銅をはじめとして可給態の各養分濃度を測定し、過不足のないよう適正な養液管理を行う。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
肥料
管理技術
ばら
品種
養液栽培
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