タイトル |
豚、鶏ふん堆肥とのブレンド及び成型化による牛ふん堆肥の成分組成及び窒素溶出 |
担当機関 |
愛知県農業総合試験場 |
研究期間 |
1994~1997 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1997 |
要約 |
牛ふん堆肥をベースにして豚、鶏ふん堆肥を一定の割合でブレンドすると各畜種に起因する成分組成の偏りが是正されるので、利用しやすくなる。さらに成型化(ペレット)すると原体に比較して窒素発現量が30~50%抑制される。
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背景・ねらい |
家畜ふん尿に起因する環境問題の解決と家畜ふん堆肥の利用促進を図るためには、品質の安定化とともに、成型化等によるハンドリング性の改善が必要である。そこで、牛ふん堆肥をベースにして豚、鶏ふん堆肥をブレンドし、さらにツインダイス方式の成型機でペレット(直径5mm、長さ8mm程)にした製品について、その成分組成および畑条件での肥効特性を調査した。
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成果の内容・特徴 |
- 牛ふん堆肥をベースに鶏ふん及び豚ぷん堆肥を窒素成分が3.5%程度になるようにブレンドするとC/N比の低い畜種の炭素含量が増加し、窒素、リン酸等の肥料成分も均質化する(表1)。これらブレンド堆肥の施用は、有機炭素及び肥料成分の補給が同時に図れるとともに、リン酸や重金属の蓄積を防止するメリットがある。
- 無機態窒素発現量は鶏ふん>豚ぷん>牛ふんの順で、反応速度論に基づいて解析した結果、これら堆肥からの無機態窒素発現パターンは、牛ふんでは有機化・無機化並行型で、豚ぷん及び鶏ふんでは単純型であり、ペレットにしてもその発現パターンは変化しなかった(図1)。このことは、牛ふん堆肥のみではほとんど肥効が見られない場合でも、豚ぷん、鶏ふん堆肥をブレンドすることにより肥効を高めることができる。
- 洗浄培養法でのNO3-N溶出量は、畜種に関係なくペレット化により30~50%抑制された(図2)。成型時の圧縮と摩擦熱(40~50℃)の影響によるものと考えられる。
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成果の活用面・留意点 |
- 環境保全を考慮した家畜ふん堆肥の施用法が可能になる。
- ペレットにする原料は、品質の安定した完熟堆肥を選定する。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
肥料
鶏
豚
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