タイトル |
乗用管理機による水稲良食味品種の湛水直播栽培法 |
担当機関 |
栃木県農業試験場 |
研究期間 |
1997~1998 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1997 |
要約 |
乗用汎用管理機を使用した湛水直播栽培体系では、総作業時間を移植栽培体系に比べ70%に短縮できる。また、播種量(乾籾)は、ひとめぼれでは3.5kg/10a、コシヒカリでは 4.5kg/10aとし、出芽揃い期まで芽干しを実施する。さらに、コシヒカリでは出穂前に倒伏軽減剤を処理する。
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背景・ねらい |
稲作の省力、低コスト化及び規模拡大の手段として、湛水直播栽培は有効な手段とされている。そこで、汎用管理機を利用した良食味品種の散播湛水直播機械化一貫体系を確立し、水稲作農家の規模拡大に資する。
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成果の内容・特徴 |
- 乗用汎用管理機(JK-120GH)に、粒状物散布機(IHB180,散布幅10m)及び液剤散布機(IBS300,散布幅8m)を装着することで、施肥、播種、雑草・病害虫防除(粒剤、液剤)の各作業を0.7~0.9hr/ha(作業速度約0.7m/S)で行うことができる(表1,写真1)。
- 汎用管理機を利用した散播湛水直播機械化一貫体系では、育苗作業が省略され、移植・播種作業が短縮される。それにより、総作業時間が移植栽培体系に比べ70%(107.8hr/ha)となり、省力化がはかられる(表2)。
- 目標苗立ち数(ひとめぼれ80~100本/m2,コシヒカリ100~130本/m2)を確保するため、播種時期は5月第2半旬とし、種籾はカルパー処理を行う(1倍重コーティング)。
- 初期水管理で芽干しを行うと、浅水継続状態より苗立ち数が増加するため、目標苗立ち数を確保しやすくなる。また、湛水継続状態では最終的に稈長が長くなり、倒伏も多くなる傾向があるので、出芽揃い期までに5日程度芽干しを実施する(表3,表4)。
- 播種量を増やせば苗立ち数が多くなるが、芽干しを行うと苗立率が向上する。したがって、ひとめぼれの播種量は3.5kg/10a、コシヒカリは4.5kg/10a程度とする(表3)。
- コシヒカリの散播湛水直播栽培では、倒伏軽減剤を使用する。本剤を出穂前に処理することで、稈長が短くなり、倒伏を少なくすることができる(表4)。
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成果の活用面・留意点 |
- 資材を適量散布するため、管理機の吐出量調整は正確に行う。
- 移植栽培より基肥窒素を減らし、穂肥を遅らせることで過剰生育を防ぐ。
- 苗立ちを均一にするため、ほ場の均平に留意する。
- コシヒカリでは、倒伏防止のため、倒伏軽減剤を用いる。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
病害虫
育苗
機械化
規模拡大
栽培体系
雑草
直播栽培
省力化
水稲
施肥
低コスト
播種
病害虫防除
品種
水管理
良食味
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