タイトル |
サトイモ根切り機を利用したゆで豆用ラッカセイ調製技術 |
担当機関 |
神奈川県農業総合研究所 |
研究期間 |
1997~1997 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1997 |
要約 |
市販のサトイモ根切り機の送りオーガと、カッタ上刃を改良することにより、ゆで豆用ラッカセイ専用脱莢機で脱莢した収穫物を精度良く調製できる。この調製機と専用脱莢機及び掘取機を組み合わせた機械作業体系では、10a当たりの収穫・調製延べ作業時間は慣行手作業体系の64%に省力される。
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背景・ねらい |
ゆで豆用ラッカセイは、転作作物としてサトイモとの輪作体系による作付けが定着してきているが、収穫後の調製作業はすべて手作業のため、機械化による省力化が強く要望されている。 このため、当所では平成5年に簡易専用脱莢機を開発し脱莢作業の省力化を図った。しかし、本機は脱莢のみを行う作業機であるため、脱莢後の収穫物中に残る子房柄付き莢の子房柄除去と、茎葉等の選別作業の省力化は課題として残されていた。 そこで、転作により導入が進んでいるサトイモ根切り機の一部を改良し、子房柄除去・選別機として利用できることを明らかにした。
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成果の内容・特徴 |
- ゆで豆用ラッカセイは、サトイモに比べて径が小さいので、市販のサトイモ根切り機(J社、特1型)を兼用しようとすると莢の損傷が多量に発生する。そこで、莢の損傷を少なくするため、根切り部のゴム製送りオーガのゴム厚を6mmから3mmに変え、回転ロールと機体の間隙を金属板で塞ぐ。さらに、除毛部の二枚刃カッタ上刃の切断用スリットを、幅16mm×長さ185mmから10mm×50mmに変える(図1)。
- 調製機の子房柄除去精度は投入速度が遅いほど高く、損傷莢率は投入速度が速いほど低くなる傾向にある。投入速度4~5個/秒で子房柄除去莢割合80%程度、損傷莢割合2%程度である(表1)。
- 脱莢後の収穫物を調製機に毎分1.25kgの速度で投入することで、子房柄付き上莢割合は2%に減少する。損傷莢割合は1.4%で、仕上げ物中に茎葉等は見られず選別精度も高い(表2)。
- 脱莢後の収穫物10kgを調製するのに要する時間は47minで、手作業体系の76%に短縮される(表3)。
- 調製機と専用脱莢機及び掘取機を組合わせた機械作業体系による、掘取りから袋詰めまで10a当たりの延べ作業時間は105hで、慣行手作業体系の64%に省力できる(表4)。
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成果の活用面・留意点 |
- カッタ刃の切断用スリットの形状・大きさを変えることにより、サトイモの調製作業と
兼用でき、機械経費の低減もできる。
- 子房柄の除去及び選別精度を高め、損傷莢を少なくするため適切な投入速度で作業する。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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カテゴリ |
機械化
さといも
省力化
らっかせい
輪作体系
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