タイトル |
携帯型超音波流量計の性能特性 |
担当機関 |
愛知県農業総合試験場 |
研究期間 |
1997~1999 |
研究担当者 |
|
発行年度 |
1997 |
要約 |
国産の携帯型超音波流量計の精度はカタログ精度を満足しており、設計流速0.3m/s以上においては±2%の高精度を持つが、冬季潅漑での微小流速まで完全に計測することは出来ず、0.06m/s以下では大きな誤差を生ずる。
|
背景・ねらい |
最近、安価な(100万円以下)携帯型超音波流量計が市販されるようになり、現場での設置を希望する声が多い。そこで、安価な主要3社4機種について性能試験を行い、現場施工上の留意点について述べた。なお、試験は比較のため水道メータ、電池駆動電磁流量計、三角堰による計測も合わせて行うと共に、冬季潅漑時の計測が必要との声もあるため、通常の設計では用いない0.3m/s 未満の微小流速範囲についても検討した。
|
成果の内容・特徴 |
- 超音波流量計AとBは時間差方式の国内製品であるが、カタログ精度を満足しており、夏季潅漑時における設計流速0.30m/s 以上での誤差は測定値の±2%以下の高精度を示す。しかし、冬季潅漑時の微小流速まで精度良く計測するまでには至らず、特に0.06m/s 以下では大きな誤差を示す。
- 超音波流量計Cは時間差方式又はドプラー方式の外国製品であり、検定方法が異なるためかカタログ精度を満足せず、設計流速0.30m/s 以上においては測定値の±6%程度の誤差を、微小流速では非常に大きな誤差を示す。購入する場合は、立会試験で性能を十分確認する必要があり、その場合に比較する流量の真値は、バケツとストップウォッチと台はかりによる秤量(通常広く使用されている規格台はかりは価格も安価で取扱い易く、1/2000と言う高精度で計測できる)が一番手軽で信頼できる。
- 永久施設として現場施工する場合は、携帯型超音波流量計のセンサは何れも水没使用不可であるので、専用の水没用センサを別途用意する必要がある。
- 三角堰、水道メータ、電池駆動電磁流量計はそれぞれ所定の精度を示し、本試験の妥当性を示している。
|
成果の活用面・留意点 |
- 土地改良事業における水管理施設整備等において流量計の設置を予定している事業担当者に対して有益な情報である。
- 冬季潅漑時の通水量を精度良く測定する必要のある場合は、別途開発したバルブ流量計(平成9年度関東東海の新技術)を推奨する。
|
図表1 |
 |
カテゴリ |
水管理
|