タイトル |
稲麦用全面削耕・作溝不耕起播種機 |
担当機関 |
三重県農業技術センター |
研究期間 |
1997~1998 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1997 |
要約 |
水稲栽培における労働時間の短縮と機械費の節減を可能とする不耕起直播栽培技術を確立するため、削耕機構を用いた水稲不耕起播種機を開発した。本機は、麦播種にも使用できる。また、播種直前の削耕時に播種作業を効率よく行うためのマーカー線をつけることができる。
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背景・ねらい |
稲・小麦・大豆作を組み合わせた2年3作型のブロックローテーション方式が展開されているが、収益性は必ずしも高くない。また、米の自由化に対応するためには従来の稲作より大幅な省力化が可能な新しい栽培技術の開発が強く求められている。そこで、水稲栽培における労働時間の短縮を可能とする不耕起直播栽培技術を確立するため、水稲不耕起播種機を開発する。さらに、本機は麦播種にも使用可能とする。
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成果の内容・特徴 |
- 稲・麦不耕起播種機は、10条用で条間25cmの播種様式である。また、播種部を取り外すことにより削耕機となる(図1)。
- 削耕部は、代かきハローをべースに全面に削耕用のL形爪と播種位置の両側3cmの位置に直刃ナタ爪を配している。L形爪は表層を3cm程度削耕処理する。直刀ナタ爪は根系の発達を目的に播種位置の両側に溝を切り土壌の物理的改善を図る(図2)。
- 播種部は、播種・施肥それぞれ独立したオープナとロール式繰り出し装置を備えている。肥料は種子の横6cmに側条施肥される(図2)。
- 水稲の作業体系は、秋冬期にL形爪のみをつけた削耕機を用い2~3回削耕処理を行い、春に播種する。削耕処理は、表層を3cm程度削耕することにより前作の稲株・雑草を処理し、圃場の均平と覆土用の砕土を確保する。なお、削耕機の爪軸のブラケットにはワンタッチ機構を用いているため、爪の脱着が容易にできる。
- 削耕機後部に取り付けた車輪で播種行程が確認できるマーカー線をつけることにより、施肥・播種作業を効率よく行うことができる(図1)。
- 水稲の1回目の削耕作業の能率は、作業速度0.95m/sの時、圃場作業量0.56ha/hであった(表1)。
- 水稲の播種作業は、土壌水分30.3%(d.b.)で作業速度1.0m/sの時、圃場作業量0.40ha/hであった。砕土率は96.3%で、施肥・播種量は各々目標値の108%,103%であった(表1、表2)。
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成果の活用面・留意点 |
- 1台で削耕・播種ができるため、機械費が低減できる。
- 35馬力以上のトラクタが必要である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
肥料
病害虫
小麦
栽培技術
雑草
直播栽培
省力化
水稲
施肥
大豆
播種
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