タイトル |
りんごジュースの搾りカスを利用したりんご風味酢の製造 |
担当機関 |
群馬県農業試験場 |
研究期間 |
1997~1997 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1997 |
要約 |
りんごジュースの搾りカスに3倍量の8%エタノールを添加し、これに全重量の1~10%量の種酢を接種後、30℃静置培養することにより、酢酸酸度が4.5%以上のりんごの風味と甘さを持つ醸造酢が得られる。
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背景・ねらい |
りんごジュース製造時には25~30%の搾りカスが副生する。搾りカスの活用方法としては工業原料用の成分抽出などがあるが、企業的に成立するには大量のカスが必要とされるため、小規模の加工所では飼料や肥料として利用されている程度で潜在資源としてとどまっている。そこで、りんごジュースの搾りカスの有効利用を図るため、比較的簡易な酢の製造法を開発する。
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成果の内容・特徴 |
- りんごジュースの搾りカスに3倍量の8%エタノールを添加し、これに全重量の1~10%の種酢を接種後、30℃靜置培養することにより、酸度が4.5%以上の酢が得られる(図1、図2)。
- 試作酢の品質は、色調が淡黄色で、成分は市販りんご酢と比べると可溶性固形分、全窒素、全糖が多く、官能的にはりんごの風味と甘さを持つ醸造酢となった(表1、表2)。
- 仕込量に対する酢の仕上がり量は、概ね添加エタノールと同量となる。
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成果の活用面・留意点 |
- 酢の一般的製法であるアルコール発酵を経て後に酢酸発酵をさせる製法では醸造免許が必要であるが、エタノールを添加する当製法では醸造免許は不要であり、小規模の加工所でも製造が可能となる。
- りんごジュースの搾りカスは、搾汁後直ちに使用しない場合は冷凍保存する。
- 仕込規模によっては一定の酸度に到達する発酵日数が変わってくるので、種酢接種量や発酵日数等の調整が必要である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
肥料
加工
りんご
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