タイトル |
ビニール全面被覆による太陽熱消毒に薬剤を併用したメロンホモプシス根腐病の防除法 |
担当機関 |
神奈川県農業総合研究所 |
研究期間 |
1997~1997 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1997 |
要約 |
メロンホモプシス根腐病の防除法として、夏期のビニール全面被覆による太陽熱消毒が有効である。これに、殺センチュウ剤を併用すると効果が高く夏期が低温の年でも安定した効果が認められる。
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背景・ねらい |
メロンホモプシス根腐病の防除方法として、栽培に利用したトンネルを栽培終了後密閉して太陽熱消毒をする方法が確立されているが、通路部分の消毒が不十分なこと、次作の作業上十分な消毒期間が確保しにくいことが指摘されている。このため、全面消毒が可能な夏期のビニール全面被覆による太陽熱消毒の防除効果と、殺センチュウ剤を併用した場合の効果を検討した。
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成果の内容・特徴 |
- 死滅温度:メロンホモプシス根腐病菌をスラントで培養し、所定温度の恒温水槽の中に置き、一定時間後にPDA培地に移植して生死を判定する方法で死滅温度を調査したところ、42℃以上では1時間でほとんどの菌が死滅した(表1)。同様の方法で恒温器で試験したところ、37.5℃以上では2日以内に死滅し、35℃では6日目に完全に死滅した。32.5℃では10日後に生存率は低下したが、完全に死滅することはなかった。30℃では39日後でも50%以上の菌株が生存していた(表2)。
- 圃場試験:現地発病圃場より採集したホモプシス根腐病被害根を網戸用のサラン製ネットに包み所定の深さに埋め込んだ後、表3の各処理を行った。処理終了後被害根を掘り出し、メロンを用いて生物検定を行い防除効果を判定した。夏期の天候の良かった1997年は、ビニール被覆による太陽熱消毒だけで地表から10cmまで完全に消毒され、20cmと30cmでも効果が認められた。夏期の気温の低かった1996年では、石灰窒素を40Kg/10a施用しビニール被覆を行った場合、地表面は完全に消毒され、10cmでも効果が認められたが、20cm、30cmでは全く効果が認められなかった。ビニール被覆にD-D油剤、D-D・メチルイソチオシアネート油剤を30l/10a併用すると効果が高まり、1996年、1997年とも安定した効果が認められた(表3)。
- 試験中の地温:太陽熱消毒の処理期間中データーロガーで深さ別の地温を測定したところ、消毒の目安となる35℃以上の積算時間が100時間を越えると高い消毒効果が認められたが、例外としてシルバーマルチでは0cmで419時間の積算があるにもかかわらず、防除効果は低かった(表4)。
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成果の活用面・留意点 |
- ビニール被覆だけでは年により効果が劣る場合がある。
- 梅雨明け直後よりなるべく長期間(1ヶ月程度)処理すると効果が高い。
- 薬剤を併用する場合には薬剤処理後直ちにビニール被覆を行う。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
病害虫
根腐病
防除
メロン
薬剤
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