タイトル |
水稲「こいごころ」の奨励品種(準奨励)採用 |
担当機関 |
神奈川県農業総合研究所 |
研究期間 |
1992~1993 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1997 |
要約 |
水稲「こいごころ」は短稈で耐倒伏性が強く、多収・良食味の中生種である。縞葉枯病抵抗性を有し、「月の光」に替えて奨励品種(準奨励)に採用する。
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背景・ねらい |
本県で昭和61年に奨励品種として採用された「月の光」は、多収で縞葉枯病抵抗性を有する中生品種である。しかし、食味が劣っているため作付けが減少している。このため、縞葉枯病抵抗性を持ち、「アキニシキ」並みの中生の良食味品種を選定する。
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成果の内容・特徴 |
「こいごころ」は、農業研究センターにおいて「関東141号」を母に、「コシヒカリ」を父として交配し育成された。
- 出穂期・成熟期は、「月の光」より3ないし4日程度、「アキニシキ」より6日程度遅い中生種である。
- 稈長は、「月の光」よりやや短く、「アキニシキ」より10cm程度短い短稈種である。
- 穂長は、「月の光」並で「アキニシキ」よりやや長く、穂数は「月の光」より多く、「アキニシキ」並である。
- 耐倒伏性は「月の光」並で、「アキニシキ」よりやや強い。
- 収量性は「月の光」および「アキニシキ」並かやや優れる。
- 千粒重は「月の光」および「アキニシキ」より重い。
- 食味は「アキニシキ」並である。
- 玄米のタンパク質含量・アミロース含量は「アキニシキ」並かやや低い。
- 縞葉枯病抵抗性を有する。
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成果の活用面・留意点 |
- 普及範囲は縞葉枯病の発生が予想される地域。
- 葉いもち抵抗性が「月の光」や「アキニシキ」より弱いため、多肥栽培は避ける。
- 短稈で葉色が「アキニシキ」よりも淡いため、追肥の適量施用に努める。
- 成熟期が遅いため、落水時期に留意し、乳白米や腹白米の発生による品質低下を防ぐ。
- 粒厚が厚いため、粒選別機のふるい目を大きくし、品質の向上に努める。
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カテゴリ |
縞葉枯病
水稲
多収良食味
抵抗性
品種
良食味
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