タイトル |
削耕方式の水稲不耕起直播栽培における除草体系 |
担当機関 |
三重県農業技術センター |
研究期間 |
1997~1997 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1997 |
要約 |
削耕方式の不耕起直播栽培では、「冬期の削耕処理→播種前または播種後のグリホサート剤散布→乾田期の茎葉処理剤散布→入水後の土壌処理剤散布」の除草体系が有効である。積算有効気温からイヌビエの葉齢とイネの出芽始期が推定でき、本栽培法における除草剤の散布適期が明らかになる。
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背景・ねらい |
前作の稲株やコンバイン走行跡などの凹凸の除去、雑草の防除を目的に土壌表層2~3cmを削耕する整地作業を播種までに行い、削耕しながら播種する方式の三重式不耕起播種機を用いた直播栽培に有効な除草体系と除草剤の処理時期の目安を明らかにする。
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成果の内容・特徴 |
- 削耕処理は有効な除草手段であり(図1)、処理回数が多いほど、処理時期が播種時期に近いほどその効果は高い。
- 「削耕処理→播種前または播種後のグリホサート剤散布→乾田期の茎葉処理剤散布→入水後の土壌処理剤散布」の除草体系で効果的に雑草防除ができる。削耕処理を播種直前に行う場合にはグリホサート剤のスポット散布でも実用上問題のない除草効果が得られる(表1)。乾田期の茎葉処理剤としてシハロホップブチル・ベンタゾン(DEH-BAS)剤およびビスピリバック(KUH-911)剤を処理する(表1、図2)。
- イヌビエとイネの葉齢は積算有効気温と相関が高く、次式で葉齢が推定できる(図3)。イヌビエ5葉期およびイネ出芽始期(0.3葉)の積算有効気温は210~230℃、70~80℃である。
イヌビエ:Y=0.0432X-6.10×10-5X2-1.55 イネ:Y=0.0295X-2.94×10-5X2-1.81 Y:イヌビエおよびイネの葉齢 X:積算有効気温(有効気温は日平均気温-10℃、播種日から推定日の前日まで)
- 4月中旬から5月中旬播種におけるグリホサート剤の散布時期およびイヌビエを対象とした場合の乾田期茎葉処理剤(DEH-BAS剤、KUH-911剤)の散布時期の目安を作成した(図4)。
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成果の活用面・留意点 |
- 三重式不耕起播種機を用いた不耕起直播栽培に適用できる。
- 少水量散布の場合、細霧ノズルを使用する。ただしDEH-BAS剤およびKUH-911剤の少水量散布は未登録である。
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カテゴリ |
病害虫
雑草
直播栽培
除草
除草剤
水稲
土壌処理
播種
防除
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