トマト養液栽培用人工培地「土壌焼成多孔体」

タイトル トマト養液栽培用人工培地「土壌焼成多孔体」
担当機関 静岡県農業試験場
研究期間 1996~1997
研究担当者
発行年度 1997
要約 トマトの養液栽培用人工培地として開発した土壌焼成多孔体は、ロックウール並の収量、品質が得られ、給液量を減少させることによって高糖度果実生産が可能である。多孔体の粒は崩れにくいため、長期使用が可能な人工培地として有望である。
背景・ねらい トマトの養液栽培に用いられるロックウールは連用すると物性が変化しやすく廃棄処分も煩雑なため、これに代わる長期使用が可能な人工培地が要望されている。そこで、サバ長石粘土に繊維屑を混入し造粒・焼成して製造される粒径5mmの土壌焼成多孔体(以下、多孔体)のトマト養液栽培用人工培地への利用を検討する。
成果の内容・特徴
  1. 多孔体の比重は0.50でロックウールスラブの0.07、ロックウール細粒綿の0.08に比べ極めて大きい(表1)。また、多孔体の容積保水率は32.7%でロックウールスラブの89.3%、ロックウール細粒綿の52.5%より小さく、排水性に優れている(表1)。
  2. 多孔体を培地として用いた場合、トマトの全果実収量はロックウールよりやや少ないが秀品率は高く、販売可能な秀品果実収量はロックウールに比べ遜色なく、また果実糖度
    (Brix)にも差はない(表2)。
  3. 多孔体栽培においてロックウール栽培並の収量を得るためにはやや多めの給液量が必要である(給液量:450~1000ml/株・日)。多孔体栽培では給液量を少なくすると収量はやや減少するが上段花房においてBrix7%以上の高糖度果実が生産できる(給液量:150~750ml/株・日)。
  4. 使用済み多孔体及び使用済みを再焼成した多孔体の容積保水率、硬度は、新品に比べやや低下するが比重に差はない(データ省略)。また、使用済み多孔体を用いた場合のトマトの収量及び果実糖度は新品に比べ遜色はない(表4)。
成果の活用面・留意点
  1. 多孔体は少なくとも5年程度の連用が可能とみられるが、耐用年数は確認されていない。
  2. 施設10a当たりの培地費用は15m3で約488千円である(約65円/kg)。
  3. 使用済み多孔体に根部病害が発生した場合には、再焼成処理によって残根焼却及び殺菌が可能である(焼成費用:約30円/kg)
カテゴリ トマト 排水性 養液栽培

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