タイトル |
大果でネットの美しい隔離床栽培用アールスメロン新品種「アクアクイーン」 |
担当機関 |
千葉県暖地園芸試験場 |
研究期間 |
1997~1998 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1997 |
要約 |
隔離床栽培用アールスメロンの新品種「アクアクイーン」を育成した。この新品種は樹勢が強く、果実が大きく、果実外観、食味とも優れ、雌花の着生が良好なので栽培しやすいのが特徴である。真夏を除き、春作から初冬作まで幅広く栽培可能なF1品種である。
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背景・ねらい |
温室メロンの隔離床栽培用品種の種子は市販されておらず、千葉県独自のブランド化できる品種の育成が県下の温室メロン生産者から強く望まれている。従来栽培されている品種は他産地に比べて、果実の内容(糖度、肉質)は優れるが、やや果実が小さく、果実外観(ネット形成)が劣っていたので、果実の内容および外観が優れ、かつ栽培しやすい初夏どり品種の育成を図った。
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成果の内容・特徴 |
- 育成過程
F1の交配母本は1984年から千葉県暖地園芸試験場で5か年間選抜を行ってきた夏系4号暖地園試選抜系統、交配父本は1985年に交配した夏系7号×夏系6号のF1に、1986年に夏系7号を1度戻し交配した個体の自殖後代選抜(6か年選抜)系統、この両者を1993年に交配して得られたF1品種である。(図1)1997年10月に種苗登録の出願を行った。
- 育成品種の特性
1)草丈、葉枚数は慣行の栽培品種と同等であるが、葉が大きく、茎が太く樹勢が強い(表1)。 2)樹勢は強いが、雌花着生率が慣行の栽培品種に比べて高いので栽培しやすい(表1)。 3)果実が慣行の栽培品種より大きく、重い(表2)。 4)ネットの密度、盛り上がり、揃いおよび果形等果実の外観が慣行の栽培品種より優れている(表2)。 5)果実糖度は慣行の栽培品種と同等か、あるいはやや高い程度であるが、特に食味(風味、メルティング質)に優れている(表2)。
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成果の活用面・留意点 |
初夏作のみならず、真夏を除き春作から初冬作まで栽培可能である。耐病性を付与していないので隔離床栽培に限定される。肥培管理等は慣行の栽培品種に準ずる。種子の取り扱いは千葉県温室組合連合会が窓口となる。
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カテゴリ |
新品種
春作
肥培管理
品種
メロン
良食味
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