| タイトル |
メロン種子発芽時のエセフォン処理による果実の日持ち性評価法 |
| 担当機関 |
愛知県農業総合試験場 |
| 研究期間 |
1997~1998 |
| 研究担当者 |
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| 発行年度 |
1997 |
| 要約 |
メロンの種子発芽時にエセフォン処理を行って、実生の根の伸長が抑制されない、すなわちエチレン感受性が低い個体を選抜する方法によって、果実の日持ち性が優れる(果皮の黄化や果肉の軟化が遅い)品種・系統を得ることができる。
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| 背景・ねらい |
夏季に栽培されるメロン品種は日持ち性の高い性質が望まれているが、果実の日持ち性はエチレンの感受性の低さと関係があると考えられている。そこで、エチレン処理による実生の胚軸や根の伸長抑制現象、即ち「エチレンの三重反応」を利用し、種子発芽時のエチレン感受性と果実の日持ち性との関係を明らかにし、日持ち性保有品種育成の効率化を図る。
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| 成果の内容・特徴 |
- 本方法は、(1)発芽直後の根長を測定するだけなので、その後に苗として活用できること、(2)エチレン処理が簡便である液状のエセフォンを用いること、を特徴としている。本方法で評価した実生のエチレン感受性と、その実生から得られた果実の日持ち性(果皮の黄化と果肉軟化の遅さ)とは密接な関係がある。
- 直径12cmのガラス製ペトリ皿にろ紙を敷き、純水(無処理区)とエセフォン剤水溶液(5,000倍)を、それぞれ10ml加える。ろ紙上に種子を置き、ふたをして25℃の暗黒下に4日間放置して、根端から分枝根が生えている部分までの根長を測定する(図1)。種子が水中に浸らないように、ろ紙の枚数は2枚を基本として枚数を調節する。
- エセフォンの濃度が高いほど根の伸長抑制率が大きいが、5,000倍区が日持ち性程度の品種間差を最も顕著に示す(図2)。
- 日持ち性の高い品種はエチレン感受性が低く、無処理区の根長に対し、エセフォン区の伸長抑制率は約50%以下であったが、日持ち性の低い品種は1品種を除き70%以上であった(表1)。したがって、根の伸長抑制率が低い個体を定植すれば、日持ち性の高い果実を得ることができる。
- F1品種「アイソフィ」のF2実生のエチレン感受性は約3:1(感受性低:高)に分離した(成績省略)。F2の感受性が低い実生から得た果実はほとんど日持ち性が高かった。しかし、感受性の高い実生の果実は日持ち性の高いものと低いものに半々に分かれた(図3)。
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| カテゴリ |
栽培技術
評価法
品種
メロン
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