タイトル |
茶園用剪枝機を利用した桑収穫機 |
担当機関 |
茨城県農業総合センター蚕業研究所 |
研究期間 |
1997~2000 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1997 |
要約 |
乗用運搬車に茶園用剪枝機を装着して1人作業で桑の収穫ができる安価で操作が易しい桑収穫機を開発した。この機械での10a当たりの収穫時間は4時間で従来のバインダー型桑収穫機と同等の能率である。
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背景・ねらい |
桑収穫作業は,重労働であるとともに,養蚕作業時間に占める割合が大きいことから,高齢,女性化した養蚕従事者の養蚕離れの要因にもなっている。また,現在市販されいる桑収穫機は,価格,能率から問題が残されており,安価で操作が易しい桑収穫機の開発が切望されている。そこで茶園用剪枝機等を利用した安価で操作が易しい簡易な桑収穫機を開発し,これに対応する桑収穫法について検討する。
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成果の内容・特徴 |
- 茶園用剪枝機と乗用運搬車を組み合わせた桑収穫機は以下の点を改良することで,既存桑園に対応できる(図1)。
1)刈刃部分は,桑枝条の太さ15mm程度まで切れる茶園用大型剪枝機を使用する(図1-1)。 2)剪枝機の運搬車への取り付けは,刈刃の下に補助鋼板を入れて桑枝条刈取り用に強度を増し,刈刃が運搬車の横に出るようにする(図1-2)。 3)刈刃の長さは,1畦の半分を収穫するように調整する。また,剪枝機取り付け台の高さを変えることにより刈取りの高さを変える。 4)剪枝機のエアー吹き出しファンを取り除き,また,エンジンの排気口を作業者に当たらない方向へ変える。
- 刈刃の長さを調整(半畦刈)し,1回目(片側)と2回目の刈取り量を平均化することにより,全体の刈取り率を9割以上にすることができる(表1)。
- この機械による10a当たりの収穫時間は,各蚕期とも4時間前後であり,従来のバインダー型桑収穫機と同等の能率が得られ,価格を1/3程度にすることができた(表2)。
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成果の活用面・留意点 |
- この桑収穫機を既存桑園に使用するには,春・晩秋収穫法と春切初秋1回収穫法の桑収方法とする方が良い。
- 普通桑園と機械収穫桑園を組み合わせることにより,桑収穫の省力化を図ることができる。
- この収穫機で収穫を行う場合,2年に1度夏切後の株整理が必要である。
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カテゴリ |
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