水稲マット苗の軽量化

タイトル 水稲マット苗の軽量化
担当機関 栃木県農業試験場
研究期間 1998~1998
研究担当者
発行年度 1998
要約 水稲稚苗育苗用の培土を慣行の1/3減らしても、良苗ができ、苗箱重は慣行より1.5kg軽くできる。粉砕した籾がら3に土1の割合で混ぜた培土でも健苗が育てられ、苗箱重は慣行より半減し、資材費も4割減らせる。
背景・ねらい 水稲稚苗育苗において、水を含んだマット苗と箱の重量は約6kgにもなり、この運搬は高齢者や婦人が行うことが多く、共同育苗施設でも年々生産苗箱数が増えているため、マット苗を軽量化して作業の軽快化を図るとともに、資材にかかる費用を低減することが求められている。また、籾がらの有効利用も求められている。そこで、培土量を減らしたり、培土に籾がらを用いた育苗法の実用性を検討した。
成果の内容・特徴
  1. 育苗用の培土(以下床土と表す)を、慣行の3cmより0.5cm薄い2.5cmまで減らしても良苗が育苗でき、苗箱重を慣行の5.8kgから0.6kg軽くできる。
  2. 深さ2cm程度の苗箱と根張りを良くする水稲育苗シートを併用すれば、床土の厚さ2cmで良苗が育苗でき、苗箱重を1.5kg軽減できる(図1)。経費は床土量を1/3減らせるため、育苗シートを用いても箱代を除き慣行並になる。
  3. 加水加圧して発生する水蒸気ではっ水性を少なくした粉砕籾がら3に土1の割合で混ぜた床土を、自動播種機を使って床土厚2.5cmに播種すると、苗箱重が3kg軽くなり、根張りが良い健苗が育苗できる(図2)。育苗資材費は慣行の181円/箱より4割少ない114円/箱になる。
    これらの方法は、草丈が短く充実した苗になる。保水力は慣行並の1日1回のかん水で十分で(図3)、ほ場への植付精度、田植機上の苗の滑り、生育経過及び収量等に慣行との差は見られない(表1)。
成果の活用面・留意点
  1. 自動播種機を用いて床土の減量をする時は、深さ2cm程度の苗箱を使う。深さ3cmの苗箱を使い床土の掻き取り量を2倍にすると播種面隅にできる坂が大きくなり、植付精度が劣る。2cmの苗箱の実用性については検討中である。
  2. 籾がら利用においては、種子伝染性病害虫が懸念されるので60℃×10分以上の熱処理をした粉砕籾がらを使う。混ぜる床土の粒度は粒状培土より細かいものを使い、粉砕籾がらも細かいものが良い。施肥窒素量は通常の半分の0.5g/箱とする。床土の掻き取りは自動播種機の回転ブラシ機能で行う。粉砕籾がらは、粉塵が出ない程度にやや湿ったものを用い、播種時のかん水は播種前に床土面が湿る程度の少量と覆土に十分量の2回に分けて行う。窒素以外の肥料と床土消毒剤は慣行と同様に施用する。
図表1 215660-1.gif
図表2 215660-2.gif
図表3 215660-3.gif
図表4 215660-4.gif
図表5 215660-5.gif
カテゴリ 肥料 育苗 害虫 水稲 施肥 播種

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