タイトル |
水稲品種「玉系95号」の大麦あと6月中旬湛水散播栽培法 |
担当機関 |
埼玉県農業試験場 |
研究期間 |
1998~1998 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1998 |
要約 |
大麦あと6月中旬播の湛水散播に適応する「玉系95号」の最適苗立数は100本/m2程度で、施肥は基肥0.4kg/a、穂肥0.3kg/aとする。水管理は芽干し等の落水処理を省略した浅水管理が可能である。
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背景・ねらい |
短稈穂数型で耐倒伏性の高い水稲「玉系95号」の大麦あと6月中旬における湛水散播の安定栽培及び省力管理技術を確立する。
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成果の内容・特徴 |
- 玉系95号」の湛水散播適応性
収量性は「キヌヒカリ」よりも高く、「あかね空」と同等で、耐倒伏性は両品種よりも高く、湛水散播の適応性が高い(図1)。
- 目標苗立数
70~130本/m2で収量性が高く、100本/m2程度が最適である(図2)。150本/m2以上では過繁茂から生育の効率が悪く、収量は上がらない。
- 播種量
目標苗立数を確保するための播種量は0.3~0.4kg/aとする。
- 施肥量
基肥0.4kg/a(N,P2O5,K2O)+出穂20~23日前穂肥0.3kg/a(N,K2O)とする(表1,表2)。穂数型品種のため穂数確保が容易で、中間追肥を行っても穂数増加は見られるが、登熟歩合の低下等から収量性は向上しない。
- 水管理
倒伏性が高く、芽干し等初期の落水処理の省略が可能で、水管理の簡略化と雑草防除の効率化が図れる(表3)。 芽干し処理と比べ苗立率は10%程度低下するが、表層播きのため70%以上の苗立は確保でき、その後の生育、倒伏等も芽干し処理と差がない。転び苗はその後回復し、通常の気象条件であれば倒伏はほとんどない。
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成果の活用面・留意点 |
- 平成8年度成果情報で報告済みの「キヌヒカリ」、「あかね空」の栽培法とあわせて大麦あと湛直導入の際、経営条件等に応じた品種選定が可能となる。
- 乾籾の3倍重のコーティング種子を浅水代かき後できるだけ早く播種し、播種深の確保に努める。浮き苗が多発した場合は落水処理を行い、苗の固着を促す。
- 麦わらは、ほ場外搬出とする。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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カテゴリ |
病害虫
大麦
経営管理
雑草
省力管理技術
水稲
施肥
播種
品種
水管理
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