麦あと湛水散播水稲における「ころび型倒伏」軽減のための水管理法

タイトル 麦あと湛水散播水稲における「ころび型倒伏」軽減のための水管理法
担当機関 埼玉県農業試験場
研究期間 1998~1998
研究担当者
発行年度 1998
要約 湛水散播で発生しやすい「ころび型倒伏」は、(1)播種後の落水出芽方式と(2)間断灌水、及び(3)中干しの早期開始による強い中干しを組み合わせた水管理法の実施で軽減でき、登熟向上による収量確保と作業性の向上が図れる。
背景・ねらい 湛水散播栽培は「ころび型倒伏」が発生しやすく、収量の不安定性や収穫作業性の低下が問題となるが、薬剤による倒伏軽減対策は低コスト性を損なうことから、水管理による軽減技術を確立し、安定生産に寄与する。
成果の内容・特徴
  1. 落水出芽は倒伏の発生を遅らせ、間断灌水や中干しの早期開始による強い中干しはいずれも倒伏軽減効果が認められる(図1)。
  2. 倒伏軽減に有効な個々の水管理法を、組み合わせて実施することでより高い効果が得られ、落水出芽+間断灌水+強中干しの体系的な実施が最も有効である(図1)。
  3. 倒伏の軽減により収量は高まるが、間断灌水と強中干しの処理は年度により穂数や籾数を減少させる傾向も見られる(図2)。このため、倒伏が少なく、軽減処理を行わなくても登熟が確保される条件の場合、収量が低下する懸念がある。
  4. 以上の結果から、散播湛直における水管理法による倒伏軽減は、(1)落水出芽を行い、耐倒伏性を高めるとともに初期生育を促進させて有効茎の早期確保を行った上で、(2)間断灌水を実施し、(3)中干しの実施期間を天候等の状況に応じて決定することが望ましい。
成果の活用面・留意点
  1. 6月第4~5半旬の播種期に細粒灰色低地土において「彩の華」で得た成果である。コー ティング種子は乾籾の3倍重、施肥は基肥0.6+穂肥0.3(kg/a)で、苗立数は100本/m2である。
  2. 落水出芽は播種後~出芽揃期まで(概ね5日間)の落水処理を、芽干しは出芽揃期から3日程度の落水処理を、間断灌水は稲6葉期(概ね播種後20日)~中干し期まで、強中干しは稲8葉期(概ね播種後32日)から11~13日間(通常7日程度)実施した。
  3. 播種は浅水代かき後できるだけ早く行い、播種深の確保に努める。
  4. 雀等鳥害の危険性があり、また雑草の多発するほ場では落水出芽は避ける。
図表1 215663-1.gif
図表2 215663-2.gif
カテゴリ 病害虫 雑草 水稲 施肥 鳥害 低コスト 播種 水管理 薬剤

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