タイトル |
麦あと湛水散播水稲における落水出芽の効果と処理法 |
担当機関 |
埼玉県農業試験場 |
研究期間 |
1998~1998 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1998 |
要約 |
麦あと湛水散播における播種後~出芽揃期までの落水処理は、芽干処理と比べ苗立率の向上と初期生育の促進が図れる。また有効茎の早期確保による収量性の向上や倒伏多発年ではその発生を遅らせる効果も見られ、生産安定に有効である。
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背景・ねらい |
生育期間の短い麦あと湛直の生産安定を図るため、苗立の安定と初期生育の早期確保に有効と考えられる落水出芽方式の効果確認とその処理法を確立する。
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成果の内容・特徴 |
- 落水出芽の効果(芽干し処理と比較して以下の効果がある)
(1)苗立率を高め、苗立を安定して確保できる(図1)。 (2)初期生育を促進し、有効茎の早期確保ができる(図2)。 (3)穂数や籾数の増加により収量も高まる(図3)。 (4)倒伏の多発年ではその発生を遅らせ、登熟歩合や千粒重の低下を防げる(図4)。
- 落水処理の期間
播種後から出芽揃期までとする。6月中旬以降の散播湛直では播種後5~6日間となる。落水期間の延長は生育中期の葉色低下、茎数減から収量性が低下する(図5)
- 落水出芽による初期管理体系
図6の体系とする。気温の高い麦あとの播種では特に雑草の生育進度に注意し、発生状況によっては落水処理の期間の短縮を行う。
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成果の活用面・留意点 |
- 播種期6月第4~5半旬に細粒灰色低地土において品種「彩の華」で、乾籾の3倍重のコーティング種子を用い、麦稈搬出条件で得た成果である。なお、比較の「芽干し」は出芽揃期までは浅水とし、出芽揃期から3日間程度落水処理を行った。
- 雀等の鳥害の危険性がある場合は避ける。また、大雨が予想される場合は入水し、被害を回避する。
- 雑草発生量の多いほ場や発生の早い場合は行わない。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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図表6 |
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カテゴリ |
病害虫
雑草
水稲
鳥害
播種
品種
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