タイトル |
酸素供給資材粉衣作業を省略した湛水スリット直播栽培 |
担当機関 |
千葉県農業試験場 |
研究期間 |
1998~1998 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1998 |
要約 |
代かき後田面を固め、市販の湛水土中条播機を改造した播種機を用いてV字型の播種溝 を成形し播種を行う直播栽培法を確立した。播種後に一時的に湛水することで種子が軽く覆土される。その結果、種籾に酸素供給資材の粉衣を行わなくても安定して30%の苗立ち率を確保でき、また播種深度が深いので耐倒伏性が高くなる。
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背景・ねらい |
湛水直播栽培において多くの労力を要している酸素供給資材粉衣作業の省略、及び良食味米生産に重要な耐倒伏性の向上を目的とし、新しい直播栽培法を確立する。
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成果の内容・特徴 |
- 市販の湛水土中条播機を改造して播種機とする。作溝部を外し、替わりに三角錐型のスリット成形板を取り付ける。また、側条施肥口を播種口の進行方向真後ろに向け、粒状の酸素供給資材を播種溝同時施用できるようにする(図1)。
- 代かき後自然落水し、田面を固める。播種に適当な田面の硬さは下げ振り沈下深で6cmよりも固い条件で、壌土の場合代かき後10~14日を要する(表1)。
- 播種直後に一旦湛水することで播種溝の一部を崩壊させ、覆土する。
- スリット成形板の深さは3cm、播種後は落水出芽とすることで安定して30%の苗立ち率を確保することができる(図2)。
- スリット成形板の深さが3cmよりも深い場合、又は落水出芽が確実にできない場合は苗立ちが不安定となる(図2)。
- 播種量は7~8kg/10aとし、目標苗立ち数は80~110本/m2とする。
- 播種深度が深いため湛水直播栽培よりも分げつの発生が過剰とならず、耐倒伏性が高くなる(表2)。
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成果の活用面・留意点 |
- 田面を固まりやすくするために代かき時に練りすぎないようにする。
- 田面が軟らかく播種溝が直ちに埋め戻る部分がある場合、又は落水出芽が確実に行えない場合には粒状の酸素供給資材を播種溝に施用し、苗立ちの安定を図る。施用量は20kg/10a相当とする。
- 除草は代かき後にピラゾキシフェン粒剤、播種後にピラゾレート粒剤、苗立ち後にジメピペレート・ベンスルフロンメチル粒剤を施用する。
- ピラゾキシフェン粒剤の代かき後、播種までの散布について適用拡大が必要である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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カテゴリ |
病害虫
直播栽培
除草
施肥
播種
良食味
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