夏・秋季代かきによる水稲不耕起乾田直播栽培の適地拡大

タイトル 夏・秋季代かきによる水稲不耕起乾田直播栽培の適地拡大
担当機関 愛知県農業総合試験場
研究期間 1998~1998
研究担当者
発行年度 1998
要約 愛知式不耕起播種機による水稲不耕起乾田直播では、小麦や水稲収穫後 給水可能な時期に夏・秋季代かきすることによって、高い播種精度と苗立ち率が得られる。また、冬季代かき田での不耕起直播栽培と同様な除草法が適用できることから、適地の拡大が可能である。
背景・ねらい 愛知式不耕起播種機による不耕起乾田直播は、冬季代かきによって田面の均平、冬雑草及び前作物の残さ処理、漏水の防止などが達成できるため、高い播種精度と苗立ちが確保できる。しかし、本県では水利慣行で冬季代かきが適用可能な地域が少ない。そこで、冬季代かきの代替法を確立し不耕起乾田直播栽培の適地拡大を図る。
成果の内容・特徴
  1. 小麦跡や水稲極早生から早生種の収穫後、給水可能な夏から秋季(8月から10月)に代かきし、田面の均平、前作作物の残さ処理や翌年の水稲作での漏水防止に努める。
  2. 4月中下旬に、愛知式不耕起播種機で水稲播種を行う(図1)。夏・秋季代かき田では、冬季代かき田に比べ播種時にスズメノテッポウや広葉雑草が著しく多く発生している(図1、図2)が、冬季代かき田と同様に高い播種精度と(図3)、安定した苗立ち率(表1)が得られる。
  3. 水稲生育期の雑草は、冬季代かき田での不耕起乾田直播と同様の除草法を適用することによってほとんどみられない。また、施肥、水管理等は冬季代かき直播と同様な方法で行う(図4)。
  4. 夏季代かき実証田での収量(岡崎市内、コシヒカリ、1.3ha全刈収量502kg/10a)は、冬季代かき田と同程度である。また、冬季代かき田と同様な出芽深度(4.6~5cm)が得られ(図3)倒伏もみられない。
成果の活用面・留意点
  1. 適応地は、小麦跡や水稲の収穫後の夏から秋季に給水可能な本県平坦部である。
  2. ヒエ等雑草の発生が多いほ場では、夏・秋季代かき後に適正な雑草防除法で、水稲の播種時の雑草が少なくなる。
  3. 適応品種は、コシヒカリ、あいちのかおりなど冬季代かき直播と同様である。
図表1 215675-1.gif
図表2 215675-2.gif
図表3 215675-3.gif
図表4 215675-4.gif
図表5 215675-5.gif
カテゴリ 病害虫 乾田直播 小麦 雑草 直播栽培 除草 水稲 施肥 播種 ひえ 品種 水管理

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