タイトル |
だいず準奨励品種「東北128号」の特性 |
担当機関 |
茨城県農業総合センター農業研究所 |
研究期間 |
1998~1998 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1998 |
要約 |
大豆「東北128号」は「タチナガハ」と比較して、熟期は並、粒大はやや小さく、耐倒伏性は劣るが、多収でダイズシストセンチュウに強い。紫斑粒・裂皮粒の発生は並~やや少なく、子実の粗タンパク含量は並~高い。
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背景・ねらい |
茨城県の大粒主力品種「タチナガハ」は昭和62年に奨励品種として採用され、多収で耐倒伏性に優れ、機械収穫適応性が高いため、転換畑等で順調に作付けをのばしてきた。しかし、「タチナガハ」はダイズシストセンチュウに抵抗性を持たないため、ダイズシストセンチュウ汚染圃場で生育不良・収量低下が問題となっている。そこで、ダイズシストセンチュウに抵抗性を持つ「東北128号」を準奨励品種に採用し、本県産大豆の単収向上及び生産安定を図る。
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成果の内容・特徴 |
「東北128号」(スズユタカ×エンレイ)の特性は以下のとおりである。
- 胚軸および花の色は紫で、小葉の形は円葉、毛茸色は白である(データ略)。
- 主茎長は「タチナガハ」、「エンレイ」より長く、主茎節数・分枝数も「タチナガハ」、「エンレイ」より多い(表1)。生育量は「タチナガハ」、「エンレイ」より旺盛である。
- 開花期は「タチナガハ」、「エンレイ」より1~3日遅く、成熟期はほぼ「タチナガハ」並で、「エンレイ」より3~8日遅い(表1)。
- 耐倒伏性は「タチナガハ」に比べると劣り、「エンレイ」並である(表1)。
- 子実重は「タチナガハ」、「エンレイ」より多く、多収である。百粒重は「タチナガハ」よりやや小さく、「エンレイ」並である(表1,表2)。粒形は扁球で、子葉色と臍色は共に黄色、種皮色は黄白である(データ略)。
- 紫斑粒及び裂皮粒の発生は「タチナガハ」並~やや少なく、「エンレイ」より少ない。粒の外観品質は「タチナガハ」よりやや劣るが、「エンレイ」より優れる(表1)。
- ダイズシストセンチュウ抵抗性は「タチナガハ」、「エンレイ」より強く、「スズユタカ」並である(表3)。
- 子実の粗タンパク含量は「エンレイ」より低いが、「タチナガハ」より高く(表4)、豆腐食味は「タチナガハ」より優れる(表5)。
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成果の活用面・留意点 |
- 普及見込み地帯及び普及面積は、県下全域の畑及び転換畑でダイズシストセンチュウが発生している圃場。
- 倒伏にやや弱いので培土を行う。
- 最下着莢高が「タチナガハ」より低いので、コンバイン収穫時に泥を混入させない様注意する。
- 立枯性病害(黒根腐病等)抵抗性でないので連作は避ける。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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カテゴリ |
黒根腐病
大豆
抵抗性
品種
良食味
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