タイトル |
牛乳中のカルシウム含有量の変動要因 |
担当機関 |
神奈川県畜産研究所 |
研究期間 |
1997~1998 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1998 |
要約 |
て、泌乳開始からの経過日数による推移、朝夕の搾乳時による差、他の乳成分との相関、分娩産次数による差、季節変動(ホルスタイン種とジャージー種との比較も併せ)との関係を解析した。
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背景・ねらい |
牛乳中のCaはその形態によって人の腸からの吸収性や骨利用性に差があると言われていることから、牛乳中のCaを総Ca、可溶性Caホエー中Ca)、イオン性Caと区分し、泌乳経過日数や産次数、季節変化等との関連を3者のCaを比較する形で行った。また、ジャージー種はホルスタイン種よりも一般的に総Ca量が多いが、Caの形態別に見た場合にはどのような特徴あるのかを検討した。
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成果の内容・特徴 |
- 泌乳初期の7日間では、3形態のCaとも分娩日の泌乳開始時点から急激に減少し、10日後に常乳の平均値となった。これら3形態のCa量の推移は2次式の近似曲線に良く一致した。(泌
乳初期の7日間R2=0.90~0.94、8日以降の常乳中でR2=0.69~0.85)
- 総Caと可溶性Caでは1%水準で夕搾乳のものが朝搾乳のものより有意に高かったが、イオン性Caでは有意な差はなかった。
- 総Ca量と無脂乳固形分率は、1%水準で高い正の相関(r=0.602)があった。全固形分率、乳
蛋白質率との間にも有意な正の相関(r=0.426、0.491)があった。
- 総Caは2産の平均値が1、3産より有意に(1%水準)低かった。可溶性Caは1産で2、3、4産より有意に高く(1%水準)、産次数が上がるに従って低下する傾向にあった。イオン性Caでは、産次による差はなかった。
- 総Caと可溶性Caは、2~3月、8~9月に低下する季節変動が見られ、イオン性Caでは季節変動がなかった。
- 総Ca量はジャージー種がホルスタイン種のものより1年を通して高かったが、可溶性Ca、イオン性Caでは差がなかった。ジャージー種でも8~9月、2月に3形態のCa量の低下がみられた。
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成果の活用面・留意点 |
- 栄養学的な見地から牛乳中のCaの増減を論ずる場合には、Caの形態により差がある場合もあるので、形態別に検討することが望ましい。
- 生乳中のCa量の季節的な変動の原因を探るため、Ca調整ホルモンと関連させて今後調査していく必要がある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
季節変動
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