タイトル | 高泌乳牛への魚粉添加効果 |
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担当機関 | 茨城県畜産試験場 |
研究期間 | 1995~1997 |
研究担当者 | |
発行年度 | 1998 |
要約 | 高泌乳牛の飼料に魚粉を5%(全飼料乾物中)添加することにより乳量、乳成分量の向上がみられた。なお、飼料摂取量、繁殖成績及び疾病発生状況等に及ぼす魚粉添加の影響はみられなかった。 |
背景・ねらい | 現在、乳成分の中で特に蛋白質を高める飼養法の確立が求められている。また、乳生産の向上に伴う繁殖成績の低下や疾病発生率の増加も問題とされている。そこで、産乳成績と繁殖性を高く保つ飼料給与法の確立を目的として、ルーメンバイパス率の高い非分解性蛋白質飼料として魚粉を給与し、乳量、乳成分及び繁殖性に及ぼす影響について検討する。 |
成果の内容・特徴 | 非分解性蛋白質率の高い魚粉の給与が、乳牛の産乳性と繁殖性に及ぼす影響について、全国10場所で88頭の経産牛を用いて試験を実施した。試験期間は分娩前9週から分娩後20週までとした。飼料構成は粗飼料としてチモシー乾草とヘイキューブを、濃厚飼料は魚粉添加と大豆粕添加(表1)にわけTMRで給与した。泌乳期での飼料乾物中魚粉添加率は5%であった。 1,体重と飼料摂取量は両区で差はなかった(表2)。 2,平均乳量は魚粉区が38.94kg/日で大豆粕区より1.5kg有意に多かった(表3)。 3,乳成分率は両区に差はなかったが、分娩後10週間では魚粉区の蛋白質率が高かった。 4,乳成分量は魚粉区の乳量が高かったため、魚粉区が有意に多かった。 5,ルーメン液中アンモニア濃度、血漿中尿素態窒素濃度は魚粉区が低い傾向を示した。 6,繁殖成績と疾病発生状況は両区に差はなかった。 以上のことから、蛋白質の非分解率が高くアミノ酸組成に優れている魚粉は、泌乳初期の乳量、乳成分量の向上効果があると考えられた。しかし、繁殖成績の改善効果は見られなかった。 |
成果の活用面・留意点 | 1,魚粉は動物性飼料であるため、品質のばらつきと変敗が生じやすい。よって品質の明らかなものを購入し、早めに使用すべきである。 2,飼料中5%程度の添加なら嗜好性に問題はない。 |
図表1 | |
図表2 | |
図表3 | |
カテゴリ | 大豆粕 乳牛 繁殖性改善 |