タイトル |
性判別新鮮胚移植の実用化 |
担当機関 |
東京都畜産試験場 |
研究期間 |
1998~1998 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1998 |
要約 |
ホルスタイン種高能力乳牛から採取した受精卵を性判別し、雌と判定されたものを管内農家へ新鮮胚として配布、移植を行った。受胎率は70.0%、産子の性と判定の一致率は100%であった。性判別新鮮胚について近く実用化の予定である。
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背景・ねらい |
高能力乳用牛の受精卵移植において雌胚のみを移植することが出来れば、その目的は効率よく達成される。そこで性判別した体外受精新鮮胚の移植試験の結果をふまえて、高能力乳用牛から採取した受精卵を性判別し、新鮮胚として管内農家へ試験的に配布した。
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成果の内容・特徴 |
- 常法により作出した媒精後7~8日目の体外受精卵をPCR法により性判別し、新鮮胚として当場繋養の未経産牛に移植したところ7頭のうち5頭(71.4%)が受胎し、得られた産子は、すべて判定どうりの性であった。(表1)。
- 高能力乳牛からの生体回収胚を性判別したところ、性判別率は72.7%であった(表2)。このうち雌胚を管内農家へ配布し、同期化した未経産牛に移植した。
- 配布の連絡は管内にある3つの農業改良普及センターを通して行い、採卵前日まで配布希望を募った。配布場所は当場とし、希望農家には当日来場してもらい引き渡した。受卵牛の同期化ならびに黄体の確認、移植、妊娠鑑定については地域獣医師が行った。
- 受胎率は70.0%(7/10)で(表3)、現在までに3頭が分娩し、得られた産子はすべて雌である。
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成果の活用面・留意点 |
- 配布の際、正常卵が採取できなかったり、雌胚が得られなかった場合に農家繋養の受卵牛を無駄にしないよう、性判定できなかったバイオプシー胚を含む性別不明新鮮胚や凍結胚等を配布することが望ましい。
- 高い受胎率と性判定の信頼性により性判別新鮮胚については実用化を予定している。
- 価格設定は、現行の凍結受精卵の一万円に対して、二万円を予定している。
- 利便性の高い性判別凍結胚についての技術向上が求められる。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
受精卵移植
乳牛
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