耐凍剤に添加する糖が牛バイオプシー胚の凍結・融解後の受胎性におよぼす影響

タイトル 耐凍剤に添加する糖が牛バイオプシー胚の凍結・融解後の受胎性におよぼす影響
担当機関 埼玉県畜産センター
研究期間 1997~1999
研究担当者 吉羽宣明
高田新一郎
発行年度 1998
要約 性判別のためにバイオプシーした牛胚を、エチレングリコールにシュークロースまたはトレハロースを加えた耐凍剤で凍結保存し、融解後受胚牛に直接移植した。受胎率は、シュークロース区で31%、トレハロース区で66%であり、トレハロースの添加が有効であった。
背景・ねらい PCR法による牛胚の性判別は、極めて精度が高い。しかし、性判別のためにバイオプシー(少量の細胞を採取)した胚は、凍結・融解後の受胎性が低下する傾向があり、凍結保存法の改善が性判別技術普及のカギとなっている。一方、移植試験においては、受胚牛や技術者などの要因が受胎率に影響をおよぼし、明確な結果が得にくいとされている。そこで、2種類の耐凍剤を用いて凍結保存したバイオプシー胚を、同一牧場の未経産牛に直接移植し、受胎率を比較した。
成果の内容・特徴
  1. 黒毛和種供胚牛から採取した7日齢の胚をバイオプシーし、全体の1/10程度の細胞を採取した。バイオプシー後、1.5~4時間培養した胚を、1.8Mエチレングリコールに0.1Mシュークロース(EG+S)、または0.1Mトレハロース(EG+T)を添加したものを耐凍剤として凍結保存した。
  2. 受胚牛は公共育成牧場で飼養されている未経産牛とし、2人の技術者が直接移植を行った。なお、技術者には、どの胚がどちらの耐凍剤で凍結されているかを知らせなかった。
  3. EG+SおよびEG+Tを耐凍剤とした場合の受胎率は、それぞれ31.0%(9/29)および66.0%(33/50)であり、トレハロースの添加が有効であった(表1)。この傾向は、いずれの技術者の移植成績においても認められた(表2)。
  4. EG+Tを耐凍剤として牛性判別胚を凍結保存すれば、直接移植により高い受胎率が期待できる。
成果の活用面・留意点 移植に要する時間が長くなると、受胎率が低下する傾向が認められたが、受胎率の落ち込みは、EG+Tを耐凍剤とした場合にゆるやかであった(表3)。
EG+Tを耐凍剤として牛性判別胚を凍結保存すれば、直接移植により高い受胎率が期待できる。

図表1 215704-1.gif
図表2 215704-2.gif
図表3 215704-3.gif
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