凍結保存した胚盤葉細胞の移植によるキメラニワトリの作出

タイトル 凍結保存した胚盤葉細胞の移植によるキメラニワトリの作出
担当機関 愛知県農業総合試験場
研究期間 1998~2000
研究担当者
発行年度 1998
要約 ニワトリの胚盤葉細胞の凍結・融解方法を改良した。この方法で保存した胚盤葉細胞の移植で、体細胞、生殖細胞ともにキメラとなることが確認され、胚盤葉細胞の凍結保存による種の長期保存の可能性が示唆された。
背景・ねらい 稀少な遺伝資源や優良個体を長期間保存することは重要な課題であるが、家禽の初期胚は巨大な卵黄と一体化しているため、哺乳類で確立された受精卵の凍結保存法を直接応用することはできない。近年開発された胚盤葉キメラの作出法を利用し、胚盤葉細胞の凍結保存による種の保存の可能性について検討した。
成果の内容・特徴
  1. 従来法では凍結・融解後の胚盤葉細胞の生存率がかなり低いため、細胞の密度、耐凍剤、凍結、融解速度等について検討し、生存率を改善できる条件を得た(図1)。
  2. 凍結・融解の過程で死亡した細胞をパーコールを用いた密度勾配法で除去することで、移植した細胞の生存率を80%まで高めることができた。
  3. 羽色により体細胞でのキメラ化を確認するため、横斑プリマスロック種をドナー、白色レグホーン種をホストに用い、凍結・融解した横斑プリマスロック種の胚盤葉細胞を移植し、キメラの作出を行った。
  4. 非凍結細胞の移植による体細胞キメラ、生殖系列キメラの作出率、84%、56%には及ばないものの、凍結・融解した細胞の移植の場合でも、各々79%、12%という結果が得られた(表1)。
  5. 生殖系列キメラ雄雌の交配により、移植した細胞の種を再生することができた。
成果の活用面・留意点 今回の方法により、胚盤葉キメラを利用した種の保存法の可能性が示唆された。さらにこの手法を検討し、効率の改善を図れば、貴重な品種や優良個体の長期保存、増殖を省力的に行うことが可能となる。
図表1 215713-1.gif
図表2 215713-2.gif
カテゴリ 遺伝資源 品種

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