豚凍結精液希釈液および植氷方法の改良による精子活力と受胎成績の向上

タイトル 豚凍結精液希釈液および植氷方法の改良による精子活力と受胎成績の向上
担当機関 山梨県畜産試験場
研究期間 1994~1998
研究担当者
発行年度 1998
要約 《豚凍結精液製造》時に用いられる《希釈液》の改良および《植氷技術》を利用した結果、精液の凍結・融解後の《精子生存性》が向上した。
背景・ねらい 豚の精液の凍結保存においては、基本的な凍結・融解方法のマニュアルが作られ実用化技術として活用されている。しかし、凍結・融解後の精液による人工授精では、自然交配に比べ産子数が劣る等の問題点があり、凍結・融解後の精子生存性の低下が大きな要因となっていることが示唆されている。そこで、凍結・融解後の精子生存性の向上を目的として、既存の希釈液の改良と植氷技術の利用効果を検討した。
成果の内容・特徴
  1. 凍結方法は、(社)日本家畜人工授精師協会刊「豚凍結精液利用技術マニュアル」に準じて行った。ただし凍結操作はプログラムフリーザーで行った。供試した種雄豚は、3頭(ランドレース種、大ヨーク種、デュロック種の各1頭)である。又、精液の凍結中の-10℃~-40℃までの温度降下速度は-19℃~-20℃/分に設定した。
  2. 希釈液は、前年度効果のあった前処理液とストロー用希釈液(NSF)を基本とし、前処理液のみにプロリンを添加した。前処理液、NSFの組成は次の通りである(表1)。
  3. 前処理液にプロリンを添加したものは、添加しないものに比較して、凍結・融解後の精子生存指数が融解後30分で29.5% 、3時間で35.2%向上し、1%水準で有意な差が得られた(図1)。
  4. 常法(マニュアル)の方法で植氷方法として固定化よう化銀法を用いたものは、融解後30分で13.3%、3時間で17.7%精子生存指数が向上し、5%水準で有意な差が得られた(図2)。
    又、冷却過程での温度のリバウンド点は1.9℃上昇し、5%水準で有意な差が得られた(表2)。
  5. 植氷方法としてストローに1cm幅に切ったアルミホイルを2重に巻いた方法では、融解後30分で12.5%精子生存指数が向上し、5%水準で有意な差が得られた(図3)。
  6. 常法(マニュアル)に対して、前処理液にプロリンを添加し、固定化よう化銀法で凍結したものは、融解後30分で38%、3時間で49%精子生存指数が向上し、1%水準で有意な差が得られた(図4)。
  7. 上記6の方法で凍結した精液(試験区)と、常法(マニュアル)で凍結した精液を人工授精し、受胎成績を比較した結果、受胎率、平均胎子数ともに試験区が上回っていた(表3)。
図表1 215718-1.gif
図表2 215718-2.gif
図表3 215718-3.gif
図表4 215718-4.gif
図表5 215718-5.gif
図表6 215718-6.gif
図表7 215718-7.gif
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