5℃および15℃での保存が可能な豚人工授精用希釈液の開発

タイトル 5℃および15℃での保存が可能な豚人工授精用希釈液の開発
担当機関 山梨県畜産試験場
研究期間 1998~1998
研究担当者
発行年度 1998
要約 《豚人工授精》の《精液保存》に用いる《希釈液》について検討し、5℃および15℃の保存温度で利用可能な精液希釈液を作成した。5℃で3週間、15℃で2週間の保存を行った結果、精子活力は良好な成績を示した。
背景・ねらい 5℃および15℃保存において精子活力を良好に保つことのできる希釈液を作成できれば、豚精液の長期液状保存が可能となり、優良種雄豚精液の広域的有効利用の向上と人工授精の普及を図ることができる。
成果の内容・特徴
  1. 週1回豚精液を採取し、精液性状検査後、希釈液で精子数1億/mlに調整した。5℃保存は、精液と等温度で希釈後15℃の恒温器に直接入れ、15℃に下降後5℃の冷蔵庫に移し、その後精子活力の推移を検査した。15℃保存は精液と等温度で希釈後直接15℃の恒温器に入れ、その後同様に精子活力の推移を検査した。
    供試した種雄豚は、3頭(ランドレース種、大ヨーク種、デュロック種の各1頭)である。
  2. 本希釈液は14種類の試薬を組成とし、浸透圧316mosm/kg、pH6.6である。
  3. 5℃および15℃での保存中の精子生存指数はともに高い値で推移し、2週間および3週間後の生存指数は既存希釈液(モデナ)に比べて明らかに高かった(図1、図2)。
  4. 2週間5℃で保存した精液を人工授精した結果、保存精液では受胎率100%、産子数10~11頭、新鮮精液で受胎率100%、産子数10~11頭となり、新鮮精液との差はなかった(表1)。
  5. 作成した希釈液の授精1頭当たりのコストは539円となり、既存希釈液(モデナ)に比べ約3倍高かった(表2)。
  6. 開発した希釈液は、現在特許出願中である(特願平10-285159)。
成果の活用面・留意点
  1. 1回で、採取できる濃厚部精液を希釈することで、5頭(10回分)への人工授精が可能となる。
図表1 215720-1.gif
図表2 215720-2.gif
図表3 215720-3.gif
図表4 215720-4.gif
カテゴリ コスト

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