タイトル |
イチビ混入トウモロコシサイレージ給与による生乳風味への影響 |
担当機関 |
群馬県畜産試験場 |
研究期間 |
1997~1997 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1998 |
要約 |
イチビを原物重量比20%混合したトウモロコシサイレージを搾乳牛に1日当たり16kg給与し生産され生乳では、イチビ特有の異臭を官能検査によって有意に識別できない。
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背景・ねらい |
飼料用トウモロコシは畜産農家の自給粗飼料の中心作物であり、畜産物の低コスト生産に大きく貢献している。しかし難防除雑草であるイチビは、その防除方法が多くの研究機関で検討されているが、飼料用トウモロコシ畑に侵入しているのが実状である。また、イチビには特有の異臭があり、それを混入したサイレージを乳牛に給与すると、生乳に移行する恐れがある。そこで、イチビ混入サイレージの搾乳牛への給与が生乳の風味に及ぼす影響を官能検査によって検討する。
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成果の内容・特徴 |
- 1m2当たり100本のイチビが発生している圃場を想定して、原物重量比で20%の割合でイチビをトウモロコシに混入して調製したサイレージの発酵品質は、イチビを混入せずに調製したサイレージと発酵品質は変わらず良好である。他の品質評価についても大きな差は認められない(表1)。
- 生乳サンプルの品質は、乳脂肪率に若干の差が見られたが、他の成分値については大きな差はない(表2)。
- 官能検査については、3点嗜好試験法により反復を含む3回実施したが、いずれの試験でもイチビ混入サイレージによる生乳中の異臭は識別できない(表3)。
- イチビが原物重量比20%混入したトウモロコシサイレージであっても、経産牛1頭当たり16kg程度の一般的な給与量であれば、乳質及び生乳中の風味に影響は出ないものと推察される。
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成果の活用面・留意点 |
- イチビ混入サイレージであっても日量16kg以下であれば、生乳へ異臭の移行はないが、多量混入のサイレージを給与する場合は嗜好性の低下を考慮し、給与量に配意する。
- イチビ混入サイレージの給与が生乳中の異臭発生に結びつかないと言っても、収量の減少、イチビの拡散等の問題があるので、生産圃場のイチビ防除は積極的に行う必要がある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
病害虫
飼料用作物
低コスト
とうもろこし
トウモロコシサイレージ
難防除雑草
乳牛
防除
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