日本なし「八里」の成熟特性と着果管理技術

タイトル 日本なし「八里」の成熟特性と着果管理技術
担当機関 埼玉県園芸試験場
研究期間 1997~1997
研究担当者
発行年度 1998
要約 日本なし「八里」の収穫適期は満開後105日~115日であり、収穫に適した果皮色はナシ地色用カラーチャートの値で3~4である。また、着果枝については腋花芽より2、3年目の短果枝で果重が大きく、果実の変形が少ない。適正着果量 は1m2当たり8果程度である。
背景・ねらい 本県のナシ栽培における状況は、近年、選果場単位での直売を含む直売の比率が高くなっ
ており、消費者の盆前需要に対応するため、「幸水」より早く収穫できる品種への要望が
高まっている。そこで、果樹試育成の早生種である「八里」に注目し、栽培事例の少ない
本品種の成熟特性の把握と高品質果実生産のための着果管理技術について検討を行った。
成果の内容・特徴
  1. 収穫適期はナシ地色用カラーチャートの色指数が3~4の果実が食味が良好であった。1~2では未熟であり、5~6では過熟で果肉が水浸状の果実が見られる(表1)。
  2. 成熟特性は果皮色3で判断すると満開後105日頃から115日頃までが収穫適期であり、それ以降は急激に成熟が進む品種である(図1)。
  3. 結果枝齢別の果実品質は、1年枝(腋花芽)では果実が短果枝に比べ小さく、条溝果の発生が多くなる傾向を示した。また、4年目以降の短果枝についても果実が小さく変形が多い傾向が見られた(表2)。したがって、2、3年目の短果枝の果実品質が優れている。
  4. 単位面積当たりの着果量は8果/m2区では10果/m2に比べて平均果重が大きく、規格も大きく、特に、2Lの割合が大きい。(図2)。
  5. 以上のことから、「八里」の収穫適期は、満開後105日~115日頃であり、高品質果実を生産するためには、結果枝は2~3年枝を利用し、着果量はm2当たり8果程度が望ましい。
成果の活用面・留意点
  1. 本成果は本県と同様な気象条件の地域に適用できる。
  2. 「八里」の花は子花が親花より大型であり間違えやすいので、親花に確実に受粉を行う必要がある。 また、側枝基部からの徒長枝の発生が多いので新梢管理を徹底する必要がある。
図表1 215745-1.gif
図表2 215745-2.gif
図表3 215745-3.gif
図表4 215745-4.gif
カテゴリ カラー 管理技術 受粉 日本なし 品種 良食味

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