ぶどうにおける倍数性の簡易判定法

タイトル ぶどうにおける倍数性の簡易判定法
担当機関 山梨県果樹試験場
研究期間 1986~1997
研究担当者
発行年度 1998
要約 ぶどうの倍数性は、フローサイトメーターで相対DNA量を測定することによって簡易に判定できる。
背景・ねらい 大粒ぶどうの新品種育成に対する要望は非常に大きいが、交雑親の主流となる四倍体品種は巨峰群に偏っており、育種の母本としての利用が限られている。そこで、コルヒチンによって二倍体の染色体数を倍に増やし、四倍体系統をつくる試みがなされてきた。
従来、コルヒチン処理した個体の倍数性の確認は、顕微鏡による染色体数の調査によって行われてきたが、この方法には熟練と長い時間を要する。そこで、最近注目されているフローサイトメーターを使った倍数性の判定法について検討した。
成果の内容・特徴
  1. フローサイトメーターでは、各細胞の染色体を蛍光色素で染色し、蛍光の強さでDNA量を測定する。測定手順は、展葉2~3枚目の若葉約0.1gを核解離用液に浸してカミソリで細かく切断し、ろ過した後、蛍光色素の入った染色液を加えてフローサイトメーターにセットする。
  2. 既存のぶどう24品種・1系統(表1)について、山梨県酪試の協力を得てフローサイトメーターにより相対DNA量を測定した。その結果、倍数性によって異なるDNAヒストグラムが得られ(図1)、二倍体、三倍体、四倍体の識別が可能であった。
  3. 次に、平成3年度にガラス器内で培養中の「ピッテロ・ビアンコ」の茎端をコルヒチン処理して得た36個体について倍数性を調査したところ、四倍体のほかにキメラ(二倍体と四倍体の細胞の混在)と考えられる個体も認められた(図2)。
  4. フローサイトメーターによる倍数性の判定法は、今までの方法と比べると、非常に簡易で短時間(1サンプル5分程度)で測定できる。
成果の活用面・留意点
  1. この手法の利用によって、コルヒチンを用いた四倍体系統の育成が効率化される。
  2. また、ブドウ以外の果樹にも応用が期待される。
図表1 215751-1.gif
図表2 215751-2.gif
図表3 215751-3.gif
カテゴリ 育種 新品種育成 品種 ぶどう

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる