早生種で、着色が良く、さわやかな食味のりんご新品種「シナノレッド」

タイトル 早生種で、着色が良く、さわやかな食味のりんご新品種「シナノレッド」
担当機関 長野県果樹試験場
研究期間 1998~1998
研究担当者
発行年度 1998
要約 りんご「シナノレッド」は「つがる」に「ビスタベラ」を交配し、育成したもので、8月上旬~中旬に成熟する早生種である。果実の形は長円、果皮の色は濃赤色で、縞状に着色する。甘味と酸味のバランスが良く、果汁が多い良食味品種である。
背景・ねらい 長野県は主要なリンゴ栽培県の中では温暖な地域である。早生品種では「つがる」が主要品種となっているが、「つがる」は温暖地では着色が困難な品種で、栽培上問題となる年も少なくない。長野県果樹試験場では着色が良く、食味が優れ、貯蔵性が良い早生種の育成を目標とし、昭和58年から育種を開始した。
成果の内容・特徴
  1. 昭和58年に「つがる」に「ビスタベラ」を交配して得られた実生から選抜・育成した。平成9年12月5日に登録番号第5687号として品種登録された。
  2. 樹姿は直立と開張の中間、樹の大きさ、樹勢はいずれも中である。短果枝の形成、花芽の着生はいずれも良好で、腋花芽の着生は少ない(表1)。
  3. 開花期は5月上旬で「ふじ」と同時期である。熟期は8月上~中旬で、「つがる」より3週間程度早く、満開から収穫までの日数は100日程度である(表3)。
  4. 果実の大きさは中程度、重さは250~300g程度である(表2、表3)。果形は長円、果皮を被う色は濃赤、色の量(着色部の面積)は多く、縞は明瞭である(表2)。
  5. 果肉の色は黄白色で、果肉の硬さ、きめはともに中程度、果汁が多く、蜜は入らない(表2)。糖度は13%程度、滴定酸度(リンゴ酸換算)は0.5%程度である(表2、表3)。果肉の粉質化の程度は中で、貯蔵性は20℃で1週間程度、5℃で1ヶ月程度である。
  6. 「ふじ」、「つがる」及び「王林」と交雑和合性で(表4)、その他の品種との交雑試験においても、交雑不和合をしめす組合せはみられていない。
  7. 通常の防除で病害虫の大きな被害はみられていない。斑点落葉病に対する接種検定の結果では、罹病性は「つがる」より低かった。
成果の活用面・留意点
  1. 果実間で熟度のばらつきがみられ、かつ収穫適期の巾が短いので、収穫回数を多くして、適度に熟した果実から選り収穫をする。
  2. 予冷や低温輸送で鮮度保持期間の延長をはかることが望ましい。
図表1 215753-1.gif
図表2 215753-2.gif
図表3 215753-3.gif
図表4 215753-4.gif
カテゴリ 病害虫 育種 害虫 新品種 品種 防除 輸送 良食味 りんご

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