晩生で大果系の赤なし新品種「陽水」

タイトル 晩生で大果系の赤なし新品種「陽水」
担当機関 愛知県農業総合試験場
研究期間 1998~2008
研究担当者
発行年度 1998
要約 「新高」×「幸水」の交雑により、日本なし新品種「陽水」を育成した。「豊水」と「新高」の間に収穫できる晩生の赤なし品種で、糖度が14度以上と高く、果重が約1kgと大きい。
背景・ねらい 愛知県の日本なしの栽培面積は約500haで、そのうちの約50%が「幸水」、約25%が「豊水」と特定の品種に偏っている。そこで、生産地では労力分散と経営安定を図るため「新高」を始めとした晩生品種を取り入れてきたが、それらは、果肉が硬く、裂果の発生等の問題が指摘されている。そのため、高品質な大果系の晩生なしの育成が望まれている。
成果の内容・特徴
  1. 平成2年4月に愛知県農業総合試験場において、「新高」に「幸水」を交雑して得られた実生から選抜育成した。平成9年12月に品種登録を出願し、平成11年3月18日に出願公表された。
  2. 樹勢はやや強く、枝の発生は多く、花芽の着生は中である。開花期は「豊水」とほぼ同じ時期である。収穫期は「豊水」後の9月下旬~10月上旬で「新高」より約1週間早い(表1)。花粉を有しており、「愛甘水」、「幸水」、「豊水」、「新高」と交雑和合性があり、自家結実性はない(表2)。
  3. 果皮色は黄褐色で、果形は扁円形で、果重は約1kgと大きい。糖度は14度以上と高く、酸味は少なく、肉質は「新高」と「幸水」の中間であり、食味は「新高」より良好である。みつ症、心腐れ等の生理障害はみられず、「新高」で発生するていあ部の裂果は発生しない(表3)。
  4. 黒斑病は発生せず、黒星病、輪紋病にも強い。えそ斑点病は病徴非発現性である。
成果の活用面・留意点
  1. やや早取りでも品質が良く、「豊水」に続いて収穫が可能である。
  2. 長果枝の果実は果形が乱れる傾向があるので、短果枝主体に着果させる。
図表1 215762-1.gif
図表2 215762-2.gif
図表3 215762-3.gif
カテゴリ 黒星病 経営管理 新品種 生理障害 日本なし 品種 良食味

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