鉄砲式乾電池受粉機を用いた日本なし「幸水」の人工受粉の省力化

タイトル 鉄砲式乾電池受粉機を用いた日本なし「幸水」の人工受粉の省力化
担当機関 三重県科学技術振興センター農業技術センター
研究期間 1998~1998
研究担当者
発行年度 1998
要約 日本なし「幸水」の人工受粉に鉄砲式乾電池受粉機を用いると、慣行の梵天使用に比較して、花粉使用量が約6割節約され、受粉時間は約3割短縮し省力化される。また、着果および果実品質には影響がない。
背景・ねらい 日本なし栽培では、着果安定のために人工受粉を行うことが多いが、花粉の採取、調製および受粉に多くの労力を要し、また、年によっては開花期の天候不順により作業がはかどらないことがある。そこで、人工受粉作業の機械化を目的として、鉄砲式乾電池受粉機(以下鉄砲式)と羽毛回転式乾電池受粉機(以下羽毛回転式)による受粉技術について比較検討する。
成果の内容・特徴
  1. 機械による受粉は梵天使用(対照)に比較して、着果率、果実品質には影響なく、花粉使用量は鉄砲式では少なくなるが、羽毛回転式では多くなる(表1)。また、作業時間は、鉄砲式、羽毛回転式ともに対照に比べて短くなる。
  2. 機械の作業性は、羽毛回転式より鉄砲式のほうが、手元に感じる重さが軽く、作業しやすい。
  3. 鉄砲式の花粉噴射量目盛り位置により、単位面積当たりの花粉使用量が変わっても(表2)、収穫時の果重、糖度は対照と差はないが(図1A、B)、花粉使用量が対照の4割以下になると着果率が低くなる場合がある(図1C)。
  4. 以上のことより、機械は鉄砲式を用い、花粉噴射量を調整目盛りのほぼ中央(表、図中は「中」と表示、機械の0~3まである目盛りの1.5の位置)に設定することにより、着果および果実品質に影響なく、使用する花粉量が約6割節約され、作業時間が約3割短縮可能となる。
成果の活用面・留意点
  1. 人工受粉を必要としている日本なし栽培において適用できる。
  2. 鉄砲式はM社製のNH-2、羽毛回転式はM社製SK-1を用いた。
  3. 花粉は、発芽率を確認して使用することが望ましい。
  4. 噴射した花粉は風に飛ばされやすいので、噴射口をある程度花に近づけて処理すること。
  5. 機械の使用に当たっては、花粉節約のため直接花に処理する時以外はこまめにスイッチを切ること。
図表1 215764-1.gif
図表2 215764-2.gif
図表3 215764-3.gif
カテゴリ 機械化 受粉 省力化 日本なし

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